パタニティ・リーブで「ネクスト・ミー」のメリットを実感
急速に拡大する「H&M」では内部昇進やジョブ・ローテーションも多いが、急に新しいポジションの仕事を100%こなすのは難しい。「計画的かつ戦略的な人材育成が必要です。その点、『ネクスト・ミー』では、前もって素質とやる気がある人材を育てていくことができ、空いたポジションを担える候補を常に準備しておくことができます」と話す。そして、自分がパタニティ・リーブで抜ける時、そのメリットを実感したという。「『H&M』では、希望するポジションの仕事を体験するための社内公募を不定期で実施していて、それが『ネクスト・ミー』とリンクしている。私が6週間抜ける時に代わりに入ってくれたのも、ちょうど1年前にその社内公募でエリアチームでの仕事を体験した、ある店舗のストアマネージャーでした。彼にとっては新しい仕事だけでなく、新しいチームで働くことを経験できる機会になったと思います。私の復帰後、彼はストアマネージャーに戻ったのですが、より広い視野で元の仕事を見ることができるようになり、次の昇進へのモチベーションにもつながったようです」。
育児と家事は奥さんと分担
では、玉里さん自身は、実際にパタニティ・リーブを取得してどうだったのだろうか。「本当に大変で、いかにこれまで自分が家事から遠ざかっていたかということが分かったし、子どもが生まれて間もない頃に育休を取ったので育児の大変さも身に染みましたね。赤ちゃんのことが心配になりすぎて、夜泣きする子をあやしながら、深夜に子どもを持つ元同僚にLINEで相談したりもしていました(笑)。でも、やってみたら何とかなるものですよ。本当に育休を取って良かったし、他の同僚にも勧めたいですね」。4月下旬にはマーチャンダイザー(MD)の奥さんも職場に復帰し、共働きの生活がスタートした。「育児や家事は2人で分担して行っています。子どもが生まれてからは残業ありきの思考をやめて、生活のリズムが変わりました。仕事の量は減らないので、どうしたら早く仕事を終わらせることができるかを考え、『H&M』のコアバリューの1つでもある“いつもシンプルに”をより強く意識するようになりましたね」と、ワーク・ライフ・バランス実現のための努力を続けている。
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