デジタル・マーケティングの世界でコンサルなどを務めるルグラン(LE GRAND)が5月9日、気象に関するビッグデータ分析を基に、ユーザーのテイストにあったコーディネイトを提案するファッション・テクノロジー・サービス「テンキュール(TNQL)」を発表、ローンチする。
このサービスは、日本全国を1キロメートル四方、約37万地点に分割し、各地点の天気予報をリアルタイムで取得。別途メンバー登録したユーザーについては、人工知能(AI)が一人ひとりの好みのファッションを学習し、ユーザーの居場所や向かう地点の天気予報と、本人の好みを掛け合わせ、計720枚のイラストから日々のスタイルを選び、提案する。例えば、午後に小雨が降る可能性があり、それを機に気温が下がりそうな地点で暮らしたり、働いたりする女性には、折りたたみ傘や羽織モノが入ったイラストを掲出し、とっさの雨にも困らない靴選びなどを提案。天気によるストレスを感じることの少ない、それでいて自分らしいスタイル作りをサポートする。
また、提案する日々のイラストや、実際のコーディネイトは保存可能。カレンダー上で閲覧が可能で、「前回の打ち合わせと同じ服は着たくない」という働く女性のニーズに応える。加えて、「前年並み」や「●月上旬並みの」などの表現が多い天気予報を見聞きした際、すぐに1年前の同じ時期や、天気予報が言及した季節のコーディネイトを振り返ることができる。
ルグランは今後、メンバーのコーディネイトについてもビッグデータを蓄積。ファッション業界でのコンサルなどに生かす他、サービスのOEM化を検討する。具体的にはクライアントのブランドでコーディネイトを作りユーザーにスタイル提案をしたり、そこからECに飛ばしたりすることで、消費者とブランドの新たな接点作りの確立を助けたい考えだ。
アメリカではすでに天気に関するビッグデータを活用したマーケティングが普及し始めており、例えばテレビ局は、寒い日はスープのコマーシャルの放映回数を増やすなどしているという。