ワールドは、大学と大学院、短大、専門学校を卒業見込みの学生を対象にした就活応援イベントを推進している。今回は昨年末から、2018年度新卒学生に向けたイベントをスタートした。東京本社(晴海)と札幌、仙台、名古屋、神戸、広島、福岡の全国7カ所では、1デーインターンシップを行った。セミナーとパネルディスカッション、ワークショップを通じて、アパレル業界での仕事内容を知る体験型イベントで、アパレル業界の全体像やトレンド解説など2部制で実施した。第1部では、ワールドグループの社員が、商品が生まれて消費者に届くまでを職種ごとの役割で解説したり、販売の現場で働く店長やMDがトークセッションで学生からの質問に答えたりした。第2部では、トレンドカラーのレクチャーや商品仕入れから販売、収支計算までの店舗運営のデモンストレーションを行い、実際の業務やビジネスの流れをグループワークで実施。1デーインターンシップは計29回行われ、約530人が参加した。
インターンシップイベントの集大成として、2月24日には、ワールド北青山ビル1階で、就活応援セミナー「Fit the WORLD〜ひとりひとりが輝く就活を〜」を開いた。参加者は、大学4年生を中心に専門学校生や短大生など約190人。アパレル業界の楽しさをさらに伝えるべく催した今回のイベントは、入社3年目までのグループ若手社員が体験した就活ストーリーのトークショーや業界らしいファッションショーなども実施。さらに、初めて異業種とコラボレーションし、コンテンツの一つとして、資生堂のメイクアップアーティストによる就活メイクセミナーを行い、ファッションからメイクまで就活時に勧めるスタイルを披露した。
他社の就活イベントに参加したのは初めてだったという資生堂は、眉の書き方やチークの入れ方などを、“きれいめキャリア”や“スイートエレガンス”“オフィスカジュアル”の3スタイルの就活メイクレッスンから、服装とのトータルの印象について指南した。今回のイベントについて資生堂は、「就活生に必要な“好印象”を相手に与える要素としてメイクとファッションは関連性が高く、就活生に同時に提案できることがとても有意義に感じた」と話す。
ワールドストアパートナーズ人事部採用教育担当の平田晶子リーダーは、「アパレル企業での採用が年々難しくなる中、われわれとしても業界の華やかさや楽しさを伝えるプログラムを実施したいと考案した。ブランドでのイベントや店長会での販売員へのメイクレッスンなどは取り組んだことはあったが、就活イベントは初めて。ファッション業界とはいえ、オシャレと身だしなみは違うよねということをきちんと提案できていたと思う。熱心にメモをとる参加者の姿が印象的だった。これらのイベントやセミナーはあくまで一アパレル企業としての業界の仕事を紹介。ワールドの会社説明も特にせず、グループの仕組みや事業構成などを例にアパレルビジネスの流れや業界の重要性などを発信した。今回のセミナーに集まった学生は、アパレルが第一志望というよりも、どういう業種があるのか知りたいという人が多かった。会社説明会とは違う、アパレル企業としての魅力を感じてもらえたら嬉しい」と話す。
イベント後の来場者からは、「アパレルの職種が知られてよかった」「先輩の体験談など全て知りたいことが盛り込まれていた」「メイクの重要性を知った」「就活メイクはきちんと仕上げないといけないと思い、ハードルが高かったが、普段のヘアメイクを応用すれば身だしなみを向上できると知り、自信につながった」といった声があった。ワールドは今後も就活生に向けたイベントに力を入れ、東京以外での開催も視野に入れる。