東レの2017年3月期の繊維事業は、売上高が4.0%減の8561億円、営業利益が同3.1%減の668億円になり、09年3月期以来9期ぶりに減収になった。中国と欧州での衣料市況が減速が、東南アジアや中国の子会社に影響を与えた。
ただ、「円高の影響で、為替換算差で、全社で売上高が970億円、営業利益が106億円の減少要因になっており、その影響を除けばほぼ横ばいか、増収増益」(阿部晃一・副社長)。繊維事業は18年3月期に、売上高9250億円、営業利益760億円と、いずれも過去最高を更新する計画。ユニクロとの取り組みに代表される糸からテキスタイル、縫製品までの一貫型ビジネスの拡大や、タイや中国などで進めてきたオムツ用の不織布の増設などが全体を押し上げる。