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新興オールユアーズに出資、日本最大手の生地メーカーが挑む“温故知新”

 織物大手の丸井織物は、新興アパレルのオールユアーズ(東京、代表取締役:木村昌史/原康人)と資本提携する。第三者割当増資に応じ、3月末で全株式の15%を出資した。丸井織物は国内に1100台超の織機を保有する日本最大のテキスタイルメーカーで、同じ3月には東証2部上場の染色大手の倉庫精練へのTOB(株式公開買い付け)も発表していた。この数年は新たな織機を数百台規模で導入してきた上、ECサービスやゲームアプリの開発なども手掛けており、老舗テキスタイルメーカーが新たな挑戦を続けている。

 オールユアーズは、2015年7月にライトオン出身の木村昌史・代表取締役と原康人・代表取締役の二人で創業したベンチャー企業で、機能素材を使ったワークウェアを企画・販売してきた。木村代表は、「丸井織物とは、創業直後から一緒にモノ作りに取り組んできた。僕らが目指す“ロングテールのモノ作り”というマインドにとどまらず、ビジネスモデルを含めた新しいことに対する柔軟な見方が、ベンチャー企業の当社の考え方ともフィットした。資本提携することで、僕らはもっとも重要な素材開発のコストを共有でき、丸井織物にとってもマーケティングの部分で効果が大きい。資本提携はとても自然な流れだった」という。5月1日からはクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤ」上で、両者で共同開発した「洗濯しても色あせない黒パンツ」のプロジェクトをスタート。現在すでに約40万円を集めている。

 丸井織物は、世界有数の合繊テキスタイル産地として知られる北陸三県(石川県、福井県、富山県)の中でも最大の企業で、国内だけで1100台超、海外で約180台の織機を揃え、合計で月間750万メートルの生地を生産している。これまではダウンジャケットやスポーツウェアなどに使用するタフタと呼ばれる薄い織物が中心だったが、この数年で新たな織機を導入。コットンなどの天然繊維を使った織物開発を、全体の2割近くにまで引き上げている。

 一方でECやITを使った新たなビジネスにも参入しており、二次創作のアニメをプリントしたTシャツ販売サイト「アップティー(UP-T)」や、ゲームアプリ「誰ガ為ノ世界 〜悲しみと始まりのユグドラシル〜」をリリースしている。

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