繊維商社の帝人フロンティアを中核会社とした帝人の繊維・製品事業グループは18年3月期に、前期比27%増の売上高3300億円を計画する。組織再編に伴うポリエステル事業移管の影響を除いた実質ベースでも、同14.3%増になる。メガブランド向けに供給するスポーツテキスタイル「デルタ」を中心に、衣料向けの高機能テキスタイル事業が全体を押し上げる。日光信二・帝人グループ常務執行役員兼帝人フロンティア社長は、「組織再編により、ポリマー開発から糸・ワタ、テキスタイル、製品までの一体型のバリューチェーン体制が整った。新型繊維『ソロテックス』も、紳士からスポーツ、ファッションの幅広い分野でテキスタイルの評価が高くなっており、今期で現在の2000トンから3割増の拡大を計画している」という。テキスタイルに加え、主力のアパレルOEM(相手先ブランド生産)分野でも高付加価値分野へのシフトを進め、営業利益は同34%増の90億円を計画する。
17年3月期の繊維・製品事業グループは売上高が同4.2%減の2596億円、営業利益が同25.8%の67億円だった。減収分の113億円のうち、約100億円が円高による為替の影響だった。営業利益では、アパレルOEMで「ソロテックス」を中心にした素材からの差別化製品提案を、ウイメンズとカジュアル分野で進めたことが利益を押し上げた。