日鉄住金物産の2017年3月期決算の繊維部門は、売上高が前期比8.6%減の1608億円、経常利益が同27%増の54億円だった。アパレル不況が約40%を占めるODM事業(相手先ブランドの企画・生産)に影響したものの、生産工場の効率化によるコスト削減、スミザック、ファッションネット、サンぺックスイストなどグループ会社の収益力の改善で増益となった。
中村英一・常務執行役員は、「今後もODM取引は継続して拡大する。さらに、投資、アライアンス、M&Aなどによる新規事業の構築、素材の知識を強化する教育システムを取り入れた人材育成などを重点課題としたい」と話した。新規プロジェクトとして、海外のファッションブランドの導入を検討している。
なお、全社では売上高が前期比4.6%減の1兆8413億円、営業利益が同10.6%増の308億円、経常利益が同6.5%増の309億円だった。18年3月期の予想は、売上高が同8.6%増の2兆円、営業利益が同5.4%増の325億円、経常利益が同6.7%増の330億円。