デザイナーの滝沢直己は、JR東日本が5月1日に運行を開始した周遊型寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」のスタッフユニフォームをデザインした。滝沢は四季島のコンセプトの1つである東北をデザイン源に、各スタッフの働く場面に合わせてデザイン。ジャケットの素材は日本毛織のウール100%で、春夏はトロピカルウールを、秋冬はウールサージを使用。インナーウエアやシャツなどには形状記憶性と速乾性に優れた東レの生地を用いた。また、滝沢のデザイン経験を生かし立体裁断を行っている他、ボタンには東北の工芸品で有名な漆、ジャケットのカフは津軽組紐で作っている。
滝沢は「ユニフォームというと機能性重視の作業着と見られがちだが、そこに東北と関連したデザイン性を組み込んだ。東北の工芸品には南部鉄器やタンスなど、普段生活で知らず知らずのうちに接しているものがあるし、草木染めやプリーツ、『シャネル(CHANEL)』でも使われているホームスパンなど、ファッションとも深い関わりがある。ユニフォームは乗客の目に入るもののひとつなので、ボタンや組紐など、細部に至るまでこだわった。オリエント急行など海外の旅を経験した乗客でも、『四季島』に乗った時に同格、あるいはそれ以上に感じられることを意識した。実際に働くスタッフからヒアリングし、実際に試行錯誤を積み重ね作ることで、働くスタッフがいかに快適に動けるかも考えている」と語る。