ミズノの2017年3月期連結決算は、売上高が前期比3.8%減の1887億円、営業利益が同51.4%減の14億円、経常利益が同44.9%減の15億円だった。堅調な国内に対して、依然厳しい市況が続く米州(北米・南米)の業績悪化が影響し、売上高と利益を大きく押し下げた。円高による為替差損も83億円の減収要因になった。
米州事業の売上高は74億円減って241億円、営業損失は前期の13億円から25億円に悪化した。米国では大手小売チェーンが経営破綻したことに加え、高機能ランニングシューズの流通在庫が拡大。店頭での値引き合戦が常態化し、粗利益を圧迫した。加えてブラジルの不況とレアル安による為替差損も痛手になった。
国内事業の売上高は21億円増えて1284億円だった。スポーツ施設サービス事業で新規受注が増えた。ゴルフ事業は苦戦したものの、野球、サッカーなどの競技スポーツと健康生活者向けのライフスタイル事業が堅調に推移した。カテゴリー別では、スイムが12%増、バドミントンが10%増、卓球が6%増、バレー、テニスが5%増と伸ばしている。
今期(18年3月期)は、売上高1900億円、経常利益55億円を計画する。現在31.9%の海外売上比率を3年後には36.4%まで引き上げる。米州事業の利益改善とアジア市場への積極展開を進める。
決算会見で水野明人・社長は「今期から米国事業のマネジメント体制を変更した。仕入れコントロールで在庫を圧縮し、粗利益率を確保できれば、改善すると思う。この4カ月で手応えを感じており、ブラジル経済も回復基調にある」と、米州事業の今期中の改善に意欲を示した。