「エルメス(HERMES)」は京都・花見小路の祇園店の装いを一新し、“PUNK!”と題してジュエリーコレクションを販売している。1938年にデビューしたアイコンモチーフ“シェーヌ・ダンクル”にフォーカス。アンカー(錨)の鎖に着想したモチーフを大胆にアレンジした2017年秋冬の“シェーヌ・ダンクル・パンク”ゴールドコレクションを世界先行販売中だ。2階では、同ラインのシルバージュエリーを身につけて撮影ができるフォトブースを設置している。
12日に催したレセプションパーティーに合わせて、ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターを手掛けるピエール・アルディ(Pierre Hardy)が来日した。初めて京都店を訪れ「フランス人の私にとって、イメージする日本らしさが凝縮された夢のような空間。シンプルだけれどプレシャス。こじんまりした空間に漂う親密さが気に入ったよ」と目を輝かせた。
“パンク”シリーズは、70’sパンクの若者たちの反抗のシンボルでもあった安全ピンがキーモチーフ。柔らかく婉曲した安全ピンをロングネックレスやピアス、ブローチに印象的にあしらい、脱構築的でありながら、エレガントに昇華させている。「“シェーヌ・ダンクル”は古くからあるモチーフで、まさにメゾンの伝統とスタンダードが詰まっている。そこからいくつかの要素を組み合わせたり壊したり、拡大縮小したりして、新しい見せ方に挑戦した」と説明。“パンク”シリーズは、繊細さと大胆さを兼ね備えるアルディのクリエイションと、クリエイターの挑戦心を尊重する「エルメス」とのマリアージュが形になった。「『エルメス』には毎シーズン同じものはなく、常に生まれ変わる魅力がある。クリエイターにとっては難題に思うかもしれないけれど、好きなように自由に創作させてもらっているから、一度もプレッシャーを感じたことはないよ」と笑顔で語った。同展は5月31日まで開催中。