写真家ロバート・フランク(Robert Frank)のドキュメンタリー映画「Don’t Blink ロバート・フランクの写した時代」がBunkamuraル・シネマほか全国で公開中だ。フランクの活動を振り返る展覧会が世界50都市で開催され、昨年11月に東京藝術大学大学美術館にも巡回したことは記憶に新しい。
フランクは、1958年に発表した写真集「アメリカンズ(The Americans)」で有名だ。9カ月間でアメリカ全土を巡り、2万7000枚を撮影し、そのうち83枚を作品化した。活動初期には「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」や「ヴォーグ(VOGUE)」でファッション写真を手がけたり、1960年代にビートニクの作家たちを映した映画を製作するなど多彩な経歴を持つ。
本作は、インタビュー嫌いの本人が92歳にして初めて人生を語ったドキュメンタリーだ。フランクが時折見せるユーモラスな人柄、フランクのエピソードを語る人物、フランクゆかりの場所が代わる代わる映し出される。その貴重な映像に、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)、ボブ・ディラン(Bob Dylan)、パティ・スミス(Patti Smith)らの楽曲が重なり合うことも大きな見所だ。映画館で、文字通り“Don’t Blink(瞬きすることができない)”時間を過ごすことができるに違いない。
■Don’t Blink ロバート・フランクの写した時代
上映時間:82分
監督:ローラ・イスラエル
撮影:リサ・リンズラー、エド・ラックマン
編集:アレックス・ビンガム
音楽プロデューサー:ハル・ウィルナー
参加アーティスト:ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ローリング・ストーンズ、トム・ウェイツ、パティ・スミス、ヨ・ラ・テンゴ、ミィコンズ、ニュー・オーダー、チャールズ・ミンガス、ボブ・ディラン、ザ・キルズ、ナタリー・マクマスター、ジョセフ・アーサー、ジョニー・サンダース、ザ・ホワイト・ストライプス
協力:ジューン・リーフ、ゲルハルト・シュタイデル、トム・ジャームッシュ、シド・キャプランほか
配給:テレビマンユニオン
配給協力・宣伝:プレイタイム
上映館:Bunkamuraル・シネマ(上映中)、名演小劇場(上映中)、シネ・リーブル梅田(近日上映)、京都シネマ(近日上映)、シネマ・ジャック&ベティ(近日上映)、シアターキノ(近日上映)、元町映画館(近日上映)、シネモンド(近日上映)