日本空港ビルデングは、三越銀座店で営業する空港型市中免税店「ジャパン デューティーフリー ギンザ」の実質初年度となる2017年3月期の売上高が51億円だったと発表した。当初の売上高計画150億円を大きく下回り、営業損益は18億円の赤字になった。インバウンド(訪日客)への認知不足に加えて、売れ筋がラグジュアリーブランドなどの高級品から化粧品や日用品など単価の低い商品に大きく変化したことが痛手になった。
日本空港ビルデングは早期の黒字化を目指してテコ入れする。現状は訪日客が商品を出国の際の空港で受け取る保税売店(デューティーフリーショップ)の形態を取っているが、今後は当日に商品を受け取れる消費税免税店(タックスフリーショップ)を導入する。品ぞろえも現在の訪日客のニーズに合わせて見直す。
テコ入れ策によって今期(18年3月期)は、売上高70億円、営業損益はトントンまで持っていく考え。21年3月期には売上高95億円、営業利益4億円を計画する。
同店は16年1月にオープン。三越銀座店の8階の1フロアを占める3300平方メートルの売り場を、ラグジュアリーブランド、高級時計、化粧品などを中心に構成する。運営するJapan Duty Free Fa-So-La三越伊勢丹は、日本空港ビルデングが45%、三越伊勢丹ホールディングスが27.5%、成田国際空港の完全子会社NAAリテイリングが27.5%をそれぞれ出資する合弁企業。