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旭化成の裏地向け素材「ベンベルグ」が中国で好調

 衣類の裏地に主に使われる旭化成のキュプラ繊維「ベンベルグ(BEMBERG)」は、中国での販売が好調だ。1~4月は前年同期比20~25%増の売り上げだった。中国では合弁会社が染色と販売を行っているが、今年1月から日本の旭化成主導の営業体制に変更し、アパレルを強化したことでウィメンズ中心に伸びている。また、国営企業のユニフォーム事業の受注が戻ってきていることも好調の要因だ。そのほか、海外で売り上げ比率が最も高い欧州でも堅調に推移している。アメリカは百貨店の閉鎖、大手アパレルの倒産などで市況が悪く苦戦している。

 国内も百貨店アパレルを主な顧客とするウィメンズは厳しい。一方で伸びているのが、オーダーメードスーツの裏地需要だ。オーダーアパレルに的を絞って販促するなど昨年秋から力を入れており、「肌感としては前年比1.5~2倍くらいの伸び」。「ベンベルグ」の裏地はオプションメニューとして販売しているケースが多く、旭化成の担当者は「着心地や見た目という点で差別化がしやすく、大手アパレルも(オプションメニューに)採用しやすいのでは」と見ている。本社近くにある「ベンベルグ」のショールームベンベルグ裏地ミュージアム+」に足を運ぶオーダー系のアパレル担当者も増えており、今後も伸びが期待できるという。将来的には、海外のオーダー需要も取り込んでいきたい考えだ。

 旭化成は1931年の「ベンベルグ」生産当初から、持続可能な環境に配慮したモノ作り(=サステナビリティ)を意識してきたが、今後は第三者の認証が必要と考え、2016年に環境負荷の少ない商品の開発や設計を検討し、評価する手法である「LCA(Life Cycle Assessment)」と、リサイクル材料の量やトレサビリティを公的に裏付けする認証プログラムである「GRS(Global Recycle Standard)」を取得した。近年は海外を中心にサステナビリティへの要求が高まっており、この認証システムの取得でさらなる売り上げ拡大を狙う。17年度は中国を中心に国内外含めて数量ベースで5%増を目指す。

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