ハースト婦人画報社は5月24日、新サービス「マガジンクラウド」をスタートした。同社が発行する「エル・ジャポン(ELLE JAPON)」や「ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)」「ヴァンサンカン(25ans)」「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」など全13媒体の電子版をストリーミング配信する。
雑誌の定期購読者であれば、自身が購読をしている媒体に関して購読開始後のアーカイブを閲覧することができる。雑誌を横断したキーワード検索などの機能の他、2012年以降に電子化されたバックナンバー約500冊の試読もできる。今後は企業のコンテンツマーケティングに利用できるデータベースとして、過去の雑誌に掲載されている情報を二次的に販売するといったBtoB利用も斡旋していく。「マガジンクラウド」利用者のデータを活用したCRM(顧客関係管理)施策にも本腰を入れる計画だ。
出版社のキュレーションビジネス参入は、今年に入って特に活発化している。講談社は1月、IT事業を手掛けるデジタルガレージと共同で新キュレーションメディアを今年中に設立することを発表した。まずは「ヴィヴィ(ViVi)」や「ウィズ(with)」など自社の女性誌5誌を配信するが、いずれはプラットフォームとして他社媒体のコンテンツも扱う計画という。ディー・エヌ・エー(DeNA)と小学館も4月、共同でのデジタルメディアの創出・運営について検討する基本合意書を締結。昨年のキュレーションメディア騒動への対応として、新しいデジタルメディア創出に動くものとみられる。
ハースト婦人画報社は、電子版雑誌の配信に加えて、ECサイト「エル・ショップ(ELLE SHOP)」の運営など、デジタル施策に注力してきた。5月24日にはライフスタイルメディア「ウィメンズヘルス(WOMEN’S HEALTH)」のデジタル版もローンチしたばかり。