そごう・西武の西武所沢店(埼玉県)は、これまで婦人服フロアだった1階を食品フロアに全面改装し、26日にグランドオープンする。食品フロアは既存の地下1階と併せて2層に拡大。一方、婦人服はこれまでの3層から2層に集約する。百貨店の顔であるグランドフロア(1階)は婦人雑貨、婦人服、化粧品などを売るのが一般的だが、同社は「従来然とした百貨店の展開を見直し、各領域の適正化に取り組む」と説明する。消費者のデイリーニーズに対応したフロア編成は、今後、他の郊外店や地方店に広がる可能性がある。
そごう・西武は、親会社であるセブン&アイ・ホールディングスの中期経営計画に基づき、首都圏における食品強化を進めている。西武所沢店はもともと店舗売上高に占める食品の割合が約3割と他店に比べて高かったことから、先陣を切ってフロア改革に乗り出すことになった。1階には、ガラス張りの厨房を構え、製造工程を見ることができるパンや菓子の6ショップ、店内醸造のクラフトビールを楽しめる工房などで構成する。100席以上の休憩エリアを設けて、出来立ての食品をその場で味わえるようにする。地下1階は、地産地消をコンセプトに地元の惣菜や酒売り場を充実させる。
グランドフロアを食品に譲る事例は近年、少しずつ出てきている。大丸東京店は、東京駅直結という広域の鉄道利用者が多い立地環境を鑑み、07年の全面建て替えの際、1階を食品フロアにして大きな話題になった。丸井も昨年春に開業した博多マルイの1階を食品フロアにしている。