7月19日〜9月28日まで札幌国際芸術祭が、札幌市街地エリア、モエレ沼エリア、札幌芸術の森エリアの3エリアで行なわれている。札幌市が芸術祭に取り組むのは、初めてのこと。同市初の国際的なアートフェスティバルにすべく、ゲストディレクターに迎えたのがアーティストの坂本龍一だ。オフィシャルグランドパートナーはLVJグループ ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニーと札幌丸井三越。
開幕前日の7月18日には、ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニー主催のオープニングイベントが開催された。当日参加予定だった坂本は直前に中咽頭がんであることを発表し、来場はかなわなかった。その彼からの手紙を見城徹・幻冬社社長が読み、復帰への意欲を見せた。ゲストがディナーとともに堪能したのは、「フォレスト・シンフォニー in モエレ沼」サポーティッド・バイ・ルイ・ヴィトン。札幌や道内を始め、国内外11ヵ所の樹木にセンサーを設置し、それを音楽へと変換するインスタレーションで、そのうちの1本は長野県小諸市の「ルイ・ヴィトンの森」の樹木。坂本が代表を務めるモア・トゥリーズが協力し「ルイ・ヴィトンの森」を作った縁で、今回の札幌国際芸術祭の「ルイ・ヴィトン」によるサポートが決まった。
「ルイ・ヴィトン」が芸術祭に力を入れる理由は、もう1つある。それは、年内に「ルイ・ヴィトン丸井今井札幌店」が現在の別館から西館(仮)に移設オープンするからだ。札幌丸井三越は、丸井今井札幌本店と三越札幌店のリモデルを6月にスタートしており、丸井今井札幌店に関しては、2015年春に第1期、秋に第2期オープンを予定。その前哨戦として開店する西館(仮)の「ルイ・ヴィトン」新店には当然力を入れる。札幌国際芸術祭を機に「ルイ・ヴィトン」の認知度を道内であげ、オープンにつなげるという両社の思いも込められている。
もちろん、芸術祭についても話題満載だ。モエレ沼エリアだけでなく、札幌市街地エリアの札幌駅と大通公園を結ぶ地下道を使った「チ・カ・ホ」は公開美術館ともいえる面白い試み。札幌芸術の森美術館では、市街地にある北海道立近代美術館の「都市」に対し、「自然」をテーマとして、自然と融合するアート作品を展示。広範囲にわたる札幌国際芸術祭のスケールの大きさを実感した。