アクタス(ACTUS)は5月31日、「123人の家」3号目を発刊する。同書籍はお宅訪問本の火付け役的存在。1号、2号の発行部数は18万部で、インテリア関連の書籍としては異例の大ヒット作になった。125軒の実例を紹介した3号目は、アプリをモバイル端末にダウンロードすると各例360度パノラマ動画が見られる画期的な書籍だ。
取材対象はアクタスの顧客や社員、OB、OGなど。アクタスの荒木正則クリエイティブ・ディレクター兼スタイルブック編集長が3年間かけて取材した。それぞれの家族のありのままの暮らしを写真と文章、動画で切り取っている。オールカラー800ページというボリュームで1000円(税込)という価格を実現している理由は、撮影・編集・テキスト・デザインを全て社内スタッフが行うからだ。
この本では「リノベーション」「地方の時代」「断捨離の意識高まる」の3つをキーワードに、日本各地の家を紹介している。3年前に出版した前号では54件のアクタス顧客の家を取材し、改装物件は3件。ところが、この号では86件中12件がリノベーション物件と、件数がぐっと増えている。以前は地方ではインテリアの選択肢が限られ、住居に関する感度も低いとされていた。今では、情報やモノがインターネットでどこにいても入手できる環境が整い状況が一転。地方では、土地や家にかかる費用の安さと居住スペースの広さなどのメリットから豊かな住居空間を作り出している家も多い。この本では各家主に12問のアンケートを実施。その中に「部屋が片付かない人へのアドバイス」があり、「断捨離」を実生活で実践している人々からのヒントが得られるようになっている。
アクタスの運営するライフスタイルストアのスローハウス(SLOW HOUSE)で4月末に行われたトークショーで、荒木編集長は「事前取材はしない。空間そのものというよりは、そこに住む家族の日常をとらえたかった。子どもらも、リラックスしていい表情をしてくれている。『もっと楽しめる暮らし』を発信したい。長く使えるモノを選び、丁寧な暮らしをしている人々のリアルな生活空間を感じてほしい」と語った。