ロンドンにあるビクトリア&アルバート博物館(The Victoria and Albert Museum)は5月27日から、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の創設者、クリストバル・バレンシアガ(Cristoobal Balenciaga)の回顧展「バレンシアガ:シェイピング ファッション(Balenciaga: Shaping Fashion)」を開催する。会期は2018年2月18日まで。
同展では、クリストバルの1950〜60年代の作品にフォーカス。シグネチャーのシェイプから、複雑な制作工程、顧客との関係までをまとめ、現在も多くのデザイナーに多大な影響を与え続ける彼のキャリアを辿る。展示には、当時のファッション業界に新風を吹き込んだベビードール・ドレスやサック・ドレス、エンベロープ・ドレスなど代表的なルックがそろう。自身のクリエイションについて生涯多くを語らなかったクリストバルだが、展示を通じて完璧主義として知られる彼の見事に構築的なテクニックを浮き彫りにしている。
また、クリストバルから影響を受けたデザイナーらのコレクションピースを集めた“レガシー”セクションも見どころの一つだ。弟子のユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)を始め、川久保玲やフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、リック・オウエンス(Rick Owens)、カルバン・クライン(Calvin Klein)らの作品がそろい、時代を経てもなお色褪せないクリストバルの影響力がうかがえる。
現在、「バレンシアガ」のクリエイションを手掛けるデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia )=アーティスティック・ディレクターは、クリストバルについて「僕は物事を360度で見るという彼の視点を受け継いでいるんだ」とコメントを寄せた。なお「バレンシアガ」は今年、ブランド誕生100周年を迎え、パリでは展覧会「Balenciaga,L’ouvre au noir〜バレンシアガ、黒の作品」を7月16日まで開催している。