サムスン電子(Samsung Electronics)は、VR(バーチャルリアリティー)を活用して世界的なライブエンターテインメントを提供する「VR ライブ パス」のパートナーシップ契約を、米スポーツ団体のUFC、エクストリームスポーツ競技大会のエックスゲームズ(X Games)、米イベントプロモーターのライブネーション(Live Nation)と締結した。
契約に基づき、同社は映像空間の中にあたかも視聴者自身が存在するかのような感覚が体験できる、没入型の番組やコンサートなどのライブイベントをストリーミング配信する。まずは6月に、UFCがブラジル・リオデジャネイロで主催するボクシングの試合を生中継。参加者はVRヘッドセットを通して、最前列で試合を観戦できる他、試合前後のコンテンツにも参加できる。7月には、離れ業を売りとするアクションスポーツの競技大会、エックスゲームズを配信。さらに音楽ファンのために、8月からはライブネーション主催のコンサートシリーズを提供する。
リアルタイムのイベントと全世界のファンを結び付ける同社の新たな試みは、ブランドや小売店に莫大なビジネスチャンスを生むとみられる。導入に伴い、新サービスや新技術に抵抗のない“ミレニアル世代”や2000年前後に生まれた“ジェネレーションZ”の存在は見逃せない。消費者は、業界のトップイベントであるファッションウイークやメットガラ、音楽フェスが開催されると、情報を求めてソーシャルメディアに集う傾向にある。それを生かし、ブランド側はVRを活用した経験を提供し、イベントと新商品をひもづけることで、顧客ロイヤリティを大幅に向上させることができるだろう。