気持ちが沈む、気力が湧かない。5月が終わってもそんな「5月病」状態が続く人は多い。新年度からの気合や集中力がゴールデンウイークを境に切れ、気持ちが沈んだり無気力になることは年齢や職位にかかわらず起こりうるもので、最近では長引いたり遅れて現れたりする「6月病」という言葉も聞かれるようになった。
特に朝目覚めが悪い人は自律神経が乱れている可能性があり、休息モードの“副交感神経”と活動モードの“交感神経”を上手に切り替えることが重要だ。目覚めたら日光を浴びて体内時計を整えることも大切だが、無意識に行なっている行動で、活力を呼び覚ますきっかけを作ることができる。その一つが“深呼吸”だ。
「深呼吸は自律神経を整えると言われていますが、気持ちが沈んでいる人、緊張感やストレスのある中で過ごしている人の多くは、浅い呼吸を繰り返していることが多いんです」と語るのは、ニールズヤードレメディーズの長澤さゆりセラピストトレーナー。“香りを嗅ぐ”という行動がおのずと深い呼吸につながるほか、アロマセラピーの精油作用を活用することで、リフレッシュやリラックスにつなげることができるという。長澤セラピストトレーナーに、気持ちをリフレッシュさせ、活力を与えてくれる香りを紹介してもらった。
■ローズマリー
「お料理などにも使われる植物ですが、精油は頭をクリアにする、集中力を高める時に向いている代表的な精油です」。気持ちをリフレッシュさせ気持ちを上向きにすると言われるライムと合わせると爽やかな香りに。
■ペパーミント
「覚醒系の香りで、頭をスッキリさせてくれます。ペパーミントの冷涼感はこれから暑くなる夏に向けてピッタリです」。ブレンドするならばグレープフルーツなどの柑橘系がおすすめ。ペパーミント精油を垂らした水でタオルを濡らし、冷凍庫で凍らせておき、寝苦しい夜や暑さで火照っている時に使うのも便利。
■ゼラニウム
「花の明るい香りは前向きになれますが、ゼラニウムは心身のバランスをとる香りと言われています。また、女性のホルモンバランスを整えるとも言われています」。バラのような香りとも称されるゼラニウム精油には、活力を与えながら気持ちを落ち着かせる力が。
■ベルガモット
「こちらもバランス調整タイプ。ベルガモットは紅茶のアールグレイでおなじみの香りなので、取り入れやすいと思います」。抗うつ作用や緊張を解きほぐす作用があり、落ち込んだり、ささくれ立った心を穏やかにすると言われている。
「おすすめは朝の芳香浴。アロマポットを使って部屋に香りを漂わせるのも良いですし、朝シャワーを浴びる方は、浴室の床に精油を数滴垂らしシャワーのお湯を打ち付けると、蒸気と一緒に香りが立ち上がって手軽に香りを楽しめます。ただ、精油が体につかないように注意してください」(長澤セラピストトレーナー)。