三越伊勢丹は2017-18年秋冬から、婦人服において8ブランドあったオリジナルブランドを統合した新ブランド「クロージング イセタン ミツコシ(CLOTHING ISETAN MITSUKOSHI)をスタートする。これまでのブランド型からアイテム型に再編し、コート、セーター、ワンピースといったようにアイテム別に専任バイヤーを配置し、専業ファクトリーや産地と開発したアイテムを提案する。モノ作りの視点もコーディネート軸ではなく、本物、本質、安心、安全へのこだわりを追及する。小松精練や第一織物、米冨繊維など世界有数の技術を持った素材メーカーと協業した。
デザインはほどよくトレンドを取り入れ、価格帯は、エントリープライスを強化し、百貨店婦人服の中心価格帯よりも2~3割程度抑える。例えば、コートは3万円台~、セーターは1万円台~、カシミアセーターは1万6000円~など。各セクションが「クロージング」のアイテムをセレクトし、店頭に並ぶ。
なお、蜷川実花との協業ブランド「クロス エム/ミカ ニナガワ(CROSS M/MIKA NINAGAWA)は継続する。
三越伊勢丹は近年「仕入れ構造改革」と銘打ち、オリジナルブランドの拡充を行ってきたが、今年4月に就任した杉江俊彦・社長は5月の決算発表会で見直しを表明していた。収益構造を確立しないまま量的拡大を先行させた結果、在庫過多に陥ったと総括し、ブランドの統廃合やMDの修正を指示した。好調な「ナンバートゥエンティワン(NUMBER TWENTY-ONE)」や「BPQC」は自社のグループ店舗で売るだけでなく、卸や独立した業態として出店も視野に入れる。