国内外の良書2万冊に囲まれ、“暮らす”ように滞在できるブックホテル「箱根本箱」が2018年春にオープンする。場所は、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の収蔵でも有名な箱根彫刻の森美術館や高級ホテルの強羅花壇などで知られる、神奈川県箱根町の強羅温泉エリアだ。日販の愛称で知られる日本出版販売のグループ会社で今年3月に設立したアシカリ(ASHIKARI)が、滋味深い食事でも人気の新潟県南魚沼市で里山十帖を手掛ける自遊人とともに開発するもの。クリエイティブ・ディレクターでもある岩佐十良・自遊人社長プロデュースとディレクションを行い、ホテル、レストラン&カフェ、ショップ、コーワーキングスペースなどの施設運営も自遊人に委託。里山十帖から派遣されたシェフの下、クオリティーの高いフードメニューとサービスを提供する。
日販が強羅温泉に所有する保養所・あしかりを全面リノベーションするのに際して、15年夏からプロジェクトをスタート。“本”と“箱根”を掛け合わせた“箱根本箱”のネーミングの下、“本離れ”が進むと言われる中、本との距離がぐっと縮まり、本と一緒に暮らしたくなるような仕掛けをちりばめる。ブックホテルを中心に、ブックストア、ブックレストラン&カフェ、ショップ、コーワーキングスペースなどを備えた複合施設で、日帰り入浴など、宿泊以外の来客者も本に囲まれてゆったりとした時間が過ごせるような造りとしている。
中核となるホテルは宿泊者専用のスペースで、“書斎”をイメージした客室にはオリジナルの本棚を設置し、自宅のリビングルームでくつろぐように、読書や執筆、仕事など、思い思いの時間を過ごせるようにしている。客室数は19室で、うち18室に温泉露天風呂を備え、半数以上の客室からは大文字焼で有名な明星ヶ岳や金時山などの箱根外輪山を臨めるという。宿泊価格は1泊朝食付で1万9000円~を予定する。
本のディレクションは、日販リノベーショングループによるブックディレクションブランド「ユアーズ・ブック・ストア(YOURS BOOK STORE)」が担当する。
■ 物件概要
施設名:箱根本箱(ハコネホンバコ)
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-491
延床面積:1980平方メートル
建築年月:1996年4月25日
リノベーション竣工: 2018年3月(予定)
客室数:全19室(スイート1室、洋室18室)
交通:箱根登山鉄道 ケーブルカー「中強羅駅」徒歩4分