米コンデナストがラグジュアリーECモールを運営する英ファーフェッチ(FARFETCH)とパートナーシップ提携を締結する。「ファーフェッチ」のEC情報とコンデナストが持つコンテンツを組み合わせ、コンテンツ重視の新たなECプラットフォーム作りを目指す。コンデナストは自社で運営するECサイト「スタイルドットコム(Style.com)」を持っているが、今後「スタイルドットコム」へのアクセスは全て「ファーフェッチ」へ自動転送されるといい、「スタイルドットコム」は事実上閉鎖となる。提携に合わせて、ジョナサン・ニューハウス(Jonathan Newhouse)=コンデナスト会長兼最高経営責任者(CEO)がファーフェッチ取締役に就任する。
まずは「ヴォーグ(VOGUE)」と「GQ」の2媒体を活用する。具体的にはコンデナストが「ファーフェッチ」上でショッピングガイドを作成する他、「ファーフェッチ」で扱う商材をコンデナストの自社SNSでも紹介する。提携によってユーザーは「ヴォーグ」や「GQ」と「ファーフェッチ」の双方で、コンテンツを見てすぐに商品を買えるようになる。
提携についてジョゼ・ネヴェス=ファーフェッチCEOは、「顧客にインスピレーションを与えるコンテンツは、ラグジュアリー・ショッピング体験の一部としてあるべきだと感じていた。世界有数のブランドを顧客と結びつけてきたことと同様、素晴らしいコンテンツと顧客を結び付けたい」とコメント。アナ・ウィンター(Anna Wintour)米「ヴォーグ(VOGUE)」編集長も、「今回の提携によって、われわれが提供するコンテンツ全てに新たな奥行きをもたらす」と話す。
ネヴェスCEOは08年にファーフェッチを創業。現在は40カ国750以上のショップと提携し、約2000ブランドを扱う。今年、ネッタポルテ(Net-A-Porter)を創業したナタリー・マセネット(Natalie Massenet)英国ファッション協議会会長が非業務執行共同会長に就任したばかり。マセネット非業務執行共同会長も、「デジタルショッピングの体験を向上させるためには、コンテンツとオンラインショップを結びつけることが重要だと信じてきた。今回の提携はインスピレーションから買い物まで、いつでもどこでも簡単にアクセスできる喜ばしい変化だ」としている。