ナイキ(NIKE)は生産の高効率化と世界12都市での配達を早めることを推進する“コンシューマー・ダイレクト・オフェンス”戦略をスタートする。これにより同社の労働者の2%に当たる約1400人が削減されることになる。
トレバー・エドワーズ(Trevor Edwards)「ナイキ(NIKE)」担当プレジデントは、「われわれのビジネスを取りまく環境は常に変化している。特に今日では、よりスピード感とパーソナライズが求められる傾向にある。この戦略により、消費者とより強い関係性を持った上で、われわれのイノベーションを最速で届けるという目標を達成する」とコメントした。
この戦略の対象になるのは東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、ミラノ、ベルリン、メキシコシティ、バルセロナ、ソウル、上海、北京、の世界主要12都市。同社はこれらの都市とその属する国での成長が、2020年までの成長の80%以上を占めることを見込んでいる。
各都市の消費者の分析結果に基づき、リアルタイムで商品とデザインに反映、ローカライズする。同時に市場動向や消費者の関心の変化により敏感に対応し、ローカライズした商品をいち早く店頭に並べることを目指す。
マーク・パーカー(Mark Parker)=ナイキ社長兼会長兼最高経営責任者(CEO)は、「日々進化する消費者のニーズをより多くカバーする企業がスポーツ業界の将来を左右する。この戦略により、デジタル市場により力を入れ、キーとなるターゲットを絞り、最速で配送を目指す」と語る。
また、消費者の需要に応じて、製品の生産から入荷までを管理する“エクスプレス・レーン(Express Lane)”というプログラムにより、生産にかかる時間を半分に短縮する。同プログラムは現在、北米と西ヨーロッパで導入されており、今夏から東京、中国、上海、ソウルでもスタートする。
さらに、自社ウェブサイトから店舗、商品、卸パートナーまでを一括して統括する部門を設ける。
また、北米地域、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域、中国・アジア太平洋地域、ラテンアメリカ地域の4つに地域区分を簡素化する。2018年度通期から、以上の編成に基づき財務報告書が作成される予定だ。