年商160億円を超える「タダシ ショージ」。人気の理由は?
ロサンゼルス、ニューヨーク、上海を拠点に、2007年からはニューヨーク・ファッション・ウイークでコレクションを発表し、今年で67歳を迎えるのが、タダシ・ショージ「タダシ ショージ」デザイナーだ。彼が作るドレスは、緻密なパターンメイキングによるシルエットの美しさと、着心地の良さからハリウッドや中国をはじめとするセレブに愛され、4月には安倍首相夫妻が訪米した際、オバマ大統領夫人のミシェル・オバマ夫人が「タダシ ショージ」のパープルのチュールドレスを着用したことでも話題になった。平均価格は、ミディアムドレス7万円、ロングドレス12万円と手の届きやすい価格や、サイズのバリエーションの豊富さもブランドの魅力だ。ロサンゼルスや中国には縫製部門も構えており、セレブのオーダードレスも製作できる環境が整っている。2012年にはCFDA(アメリカ ファッション デザイナーズ協議会)のメンバーに選出されており、名実ともにアメリカで活躍するデザイナーだ。
現在、約45カ国で販売され、青山にもショールームを構える。日本では、日本橋三越本店、伊勢丹新宿店、銀座三越、松坂屋名古屋店、阪急百貨店うめだ本店、バーニーズ・ニューヨークなどで販売している。現在、年商は160億円を超える。2014年秋からプレ・コレクションをスタートしており、3年半前にスタートした米国ECサイトは、毎年2倍で売り上げを伸ばしている。現在EC単体での売り上げは約8億5000万円。10月までに中国版のECサイトをスタートする予定だ。
ニューヨーク・ファッション・ウィーク ウィメンズで披露するショーのテーマは“日本”
さらに、今秋から2~10歳をターゲットにした“ガールズコレクション”をスタートする。デザイナーであり経営者でもある彼は、「まだ言えないが、これからやりたいことはたくさんある」と青山のショールームで笑う姿が印象的だ。“ガールズコレクション”は、大人のドレスをそのまま子ども用にしたドレスで、価格は148ドル~328ドル(約1万7900~3万9600円)。自社ECサイトやロサンゼルスのサウスコーストプラザ店、ラスベガス店、ドバイのサックス・フィフスアベニュー店など米国、中東をメーンに各国の百貨店やセレクトショップで発売する。日本では来年発売予定だ。タダシ・ショージは「子ども服は顧客からの要望があった。特に中東地域からの需要が多く、母娘がおそろいで着られるように大人と同じデザインのドレスを多くそろえた」という。中東は現在、売り上げを伸ばしている地域だ。
2016年プレ・スプリング・コレクションは、日本がテーマだ。刺し子模様の装飾的なステッチや芍薬、牡丹が咲き誇る庭園を表現したパッチワークがドレスにあしらわれている。「たまたま飛行機の機内で歌舞伎のドキュメンタリーを観て、はっとして、とても心を動かされた。今まで機能性や着心地を追求してきたが、日本人としての美的感覚を刺激された。デビュー当時はあえて日本人という背景で勝負したくなかったが、今ならできるかもしれない。真正面から相撲を取ってみようと思った」と話す。9月のニューヨーク・ファッション・ウィーク ウィメンズで披露するショーは、このテーマをさらに追求する予定だ。
[rel][item title="「タダシ ショージ」の過去のコレクションはこちら" href="https://www.wwdjapan.com/collection/brand/tadashi-shoji/" img="https://www.wwdjapan.com/collection/wp-content/uploads/sites/3/2015/09/tadashishoji.png"][/rel]