「WWDジャパン」5月8日号の表紙にも採用しましたが、「フェンディ(FENDI)」は2017-18年秋冬コレクションのキーカラーに鮮やかな赤を選びました。モデルは皆、赤のニーハイブーツを着用。ウエアやバッグにも真っ赤なアイテムが数多く登場しました。そんな赤は今秋冬ヒット間違いなしともいえるキーカラーです。では、なぜ「フェンディ」は赤を選んだのでしょうか?その理由を知りたくて、来日したシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)=クリエイティブ・ディレクターに直撃しました。
シルヴィアさんいわく、「2017-18年秋冬は、アイコニックな“ダブルF”や、新たに考案したリングの中に入った“F”などブランドのロゴやイニシャルをアレンジしてあらためて打ち出そうと思いました。昔、人は重要な手紙を送るときに、家紋やイニシャルを入れた封蝋(シーリングワックス)を使っていたでしょう?赤い蝋の色をイタリアでは“ロッソ・チェララッカ(Rosso Ceralacca)”と呼ぶのですが、その色を表現したのです」。
一つの色を選ぶにも、背景にはこんなストーリーがあったのです。考えてみると、今秋冬の「フェンディ」はこれまでの数シーズンから一転してクラシカルでしたし、用いられていた幾何学模様はウィーンの木版や18世紀のイタリアのドミノペーパーから着想していて、なるほどー!と思いました。やはり、デザイナーの頭の中は興味深いですね。