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ファーフェッチが中国巨大ECから436億円の資金調達、中国市場開拓へ

 ラグジュアリーファッションECのファーフェッチ(FARFETCH)が中国第2位のECサイトJD.comから3億9700万ドル(約436億円)の資金を調達する。両社は市場規模800億ドル(約8兆8000億円)といわれる中国ラグジュアリーEC市場の開拓に向けて業務提携する。これに合わせて、リチャード・リウJD.com創業者兼最高経営責任者(CEO)がファーフェッチ取締役に就任する。

 ファーフェッチは同じ6月にコンデナストが運営する「スタイルドットコム(Style.com)」買収を含む業務提携を発表したばかり。今回のJD.comとの業務提携によって、アメリカのみならず中国の市場を拡大していくものとみられる。中国はファーフェッチにとって第2の市場規模。今後はJD.comの筆頭株主でもある騰訊(テンセント)が持つチャットアプリ「ウィーチャット(WeChat)」を活用した販促をはじめ、中国のブランドを海外へ売っていくことも検討するという。JD.comの月間アクティブユーザーは2億5000万。「ウィーチャット」のユーザー8億人と合わせて10億人以上の中国ユーザーに向けて、「ファーフェッチ」の500ショップ・200ラグジュアリーブランドのアイテムを訴求しうる。

 ジョゼ・ネヴェス=ファーフェッチCEOは、「入ってくる資金はプラットフォームの成長に使う。上場は最終目標で今はただやるべきことを続ける」と新規公開株(IPO)による上場を示唆しながらも、今回の出資が上場に関与していないことを公言した。提携について聞くと、「JD.comはアメリカでいえば、アマゾン(Amazon)にフェイスブック(Facebook)とインスタグラム(Instagram)を合わせたほどの規模。ジェフ・ベゾス(アマゾンCEO)がチームに入ったような気分だ」と例える。

 JD.comの2016年度の商品取扱高は前年比47%増の948億ドル(約10兆4200億円)。中国市場に圧倒的に強く、1日で最大6億人に商品を届けるスキームを持つといわれる。リウCEOは提携について、「中国のEC市場ではいずれ、クオリティーの重要性が価格を上回るはず。ファーフェッチとの提携で中国でのさらなるECの発展を狙える」と話す。

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