「WWDジャパン」6月26日号の販売員特集では、全国津々浦々のスゴ腕37人を取材しているのですが、特に常夏の沖縄でレザーを売るセレクトショップ「ウォーカー(WALKER)」は印象的でした。そこで、ここではビーチやオリオンビールなしでも行くべき沖縄の今をご紹介したいと思います。
那覇市のサンライズは商店街にある「ウォーカー サンライズ」
「ウォーカー サンライズ」
「ウォーカー サンライズ」
「ウォーカー サンライズ」と「酒場ターコイズ」のオーナーを務める名城彰耶さん
「酒場ターコイズ」
「酒場ターコイズ」
1989年に「ウォーカー」を開業した“沖縄インポートカジュアルの父”、名城彰郎さん。その長男である名城彰耶さん(28)がオーナーを務めるのが、2015年9月にオープンしたセレクトショップ「ウォーカー サンライズ(WALKER SUNRISE)」です。そのラインアップは「サノバチーズ(SON OF THE CHEESE)」や「ブラック ウィドゥ(BLACK WEIRDOS)」といった日本ブランドとアメリカ西海岸古着をミックスしたもの。「那覇の夏というとTシャツ一丁のイメージかも知れませんが、それではだらしないですよね?だからウォーカー サンライズでは、シャツスタイルを提案しています」と彰耶さん。
さらに「沖縄には着飾っても、出掛けて行く場がなくて……」とウォーカー サンライズの隣に、飲食店「酒場ターコイズ」をオープン。若きオーナーは「“服バカ”って案外、真面目な人が多いですよね(笑)。だからお酒を飲んで、もっとクロスオーバーしれくれたらうれしいです!」と目を輝かせていました。そのウルウルは、決して二日酔いのせいではないと信じ、応援したいです……(笑)。
READ MORE 1 / 2 那覇の地にファッションという苗を植える
那覇市の「プラント&ソイル」。作り込まれた内装も見どころ
松茂良士文さん(左)と新城暖さん
「プラント&ソイル」
宜野湾市の「バクスタンダード」。青い看板と赤いラングラーが目印
「バクスタンダード」
久場達也・恭子夫妻
「ウォーカー」の“卒業生”である松茂良士文さんと、元電通マンの新城暖さんが14年7月に開店したのはセレクトショップ「プラント&ソイル(PLANT & SOIL)」。日本語訳すれば「苗と土」。ここには、那覇にライフスタイルという土壌を作り、ファッションという苗を植えたいという思いが込められています。取り扱うのは「アンユーズド(UNUSED)」「ブフト(BUKHT)」「キート(KIIT)」など。特に沖縄ブランドの「ヒガ(HIGA)」とは3周年記念の別注セットアップを製作・販売します。
沖縄は那覇のみならず!4月27日に宜野湾市にオープンしたのは、セレクトショップの「バクスタンダード(BAKU STANDARD)」。大阪で、ジーンズショップの新規店舗開発やサーフ系ブランドのMDとして20年のキャリアを積んだ、那覇出身の久場達也さんがオーナーを務めます。もともとベーカリーだった建物を、全て自分で(!)リノベーション。「セメントをこねたり、電気配線をしたり、2カ月かかりました」とニッコリ。自慢のスペースには「オルテガ(ORTEGA’S)」のベストやインディアンジュエリー、デッドストックのミリタリーアイテムが並びます。カフェも併設されていて、そちらでは奥様の久場恭子さんが腕を振るいます。地元、宜野湾の「ヤマダコーヒーオキナワ」で焙煎されたコーヒー豆を、オーダーごとに挽き抽出。手作りのパウンドケーキとともに、おもてなしします。居心地の良さから、4~5時間滞在するゲストも珍しくないのだとか。
READ MORE 2 / 2 日々、沖縄を感じたいなら“やちむん”を
柄溝康助・聖子夫妻。康助さんは大阪、聖子さんは地元沖縄の生まれ
人気のコーヒー豆シリーズ
“やちむん”を積み重ね、効率良く窯に入れるための「高台処理」と呼ばれる作業
アパレル以外の話も少し。沖縄中部の読谷村(よみたんそん)は、“やちむん”(沖縄の焼き物)の里として知られています。今回、お邪魔した「工房十鶴(じっかく)」は、09年の開窯。柄溝康助・聖子夫妻による作品は、民芸の枠を越えた独創的かつポップなデザインが特徴で、東京や大阪で行われるイベントで完売御礼が続いています。マンガンと呼ばれる釉薬を、点打ち(絵付け)した茶色のドット模様。これがコーヒー豆に見えたことから、中央に一本の線を引っ掻き、よりコーヒー豆に似せた模様に。このコーヒー豆シリーズのマグカップや皿は、今や工房十鶴を代表するアイテムです。
……と、ここまで読んでいただき、「でも沖縄、遠いからなぁ~」と思った読者の皆さんに朗報です!「ジャーナル スタンダード 表参道」では、「オキナワンサードウェーブ」と題して「工房十鶴」、「志陶房」、「室生窯」の沖縄若手3工房にフォーカスを当てたイベントを行います。約1000点の“やちむん”が一堂に会した、読谷村より読谷村らしい空間が表参道に登場するわけです。ちなみに会場では「J.S.ホームステッド(J.S.HOMESTEAD)」が製作した、琉球藍染めのワークウエアも販売されます。
■オキナワンサードウェーブ
日程:6月24日~7月2日
時間:11:00~20:00
場所:ジャーナル スタンダード 表参道 地下1階
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-1