世界最大級ファッションEC企業、ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)に中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)が投資するとの噂を受け、同社の株価が急上昇している。
6月26日のユークス ネッタポルテ グループの終値は8.7%増の25.41ユーロ(約3150円)で、時価総額は34億ユーロ(約4216億円)に上った。一方、アリババのNY市場の株価は0.2%減の142.73ドル(約1万5843円)だった。
両社からのコメントは得られておらず噂の真偽は定かではないが、投資銀行家たちは「アリババならありうる」という。
また、ウォルマート(WAL-MART)のメンズアパレル「ボノボス(BONOBOS)」買収や米アマゾン・ドット・コム(AMAZON.com)のホールフーズ(WHOLE FOODS MARKET)買収など、昨今の市場においても企業間の買収の動きが激しい。さらに、ラグジュアリーファッションECのファーフェッチ(FARFETCH)がアリババのライバルでもある中国第2位のECサイトJD.comから3億9700万ドル(約436億円)の資金を調達している。こうした市場状況も噂の信憑性を高めているようだ。
ジャック・マー(Jack Ma)=アリババ創業者兼会長は同社の目標達成のための投資にも意欲的で、2014年には百貨店を運営する中国のインタイム リテール グループ(銀泰商業集団)の株式を買い取って上場を廃止し、16年には東南アジアでのローカルアプリをローンチするため、東南アジアのECプラットフォーム、ラザダグループ(LAZADA GROUP)を買収している。
リシュモン傘下のネッタポルテ グループとユークスは15年10月に合併し、ユークス ネッタポルテ グループを設立、リシュモンが資本の半分を出資した。