6月30日、世界8都市で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」 × 「シュプリーム(SUPREME)」のポップアップショップがオープンした。
東京の他、パリ、ロンドン、ロサンゼルス、シドニー、北京、ソウルで開催している。マイアミの店舗は「ルイ・ヴィトン」店舗の3階にある展示スペースで開催しているが、それ以外はこのイベントのために特設会場を用意した。
マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)会長兼最高経営責任者は、以前からポップアップショップの場所はインスタグラムでオープン直前に告知することを明らかにしていたが、「今回はマーケティングもプレスリリースもしない。顧客に迎合するつもりはなく、対等なコミュニケーションがしたいからだ。供給する情報は最小限にする」とコラボレーションに対する姿勢を語っていた。
東京では南青山の「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」や「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」の路面店が立ち並ぶ一角にオープンした。前日の夜から行列ができ始め、最終的に7000人以上が並んだという。30日朝9時に抽選で選ばれた400人に入場券が配布され、11〜20時の営業時間内のどこかでショッピングを楽しんだ。11時45分に大きなショッパーを抱えてポップアップショップから出てきた中国人男性2人は、朝6時から並んでいたという。
ロンドンでは普段英国ファッション協議会がショー会場としても使用しているイベントスペース「180ザ・ストランド」にオープンした。行列に並んだ客層は主に男性で多人種、かつミレニアル世代が多く、中には10代の姿も見られた。同会場では3月にドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)がサンプルセールを開催し、ファッショニスタがひしめく行列で話題になったが、今回のポップアップショップの行列は少なくともその2倍の長さだった。
「ポップアップショップには全コレクションの半分もなかった。僕が欲しかった赤のボディバッグとデニムのベースボールシャツもなかったよ」とポップアップショップで買い物した男性、カルム・カラガン(Calum Callaghan)は落胆の表情を見せつつ、「でも明日また来て、他の商品がないかチェックするよ」と意気込んだ。ロンドンのポップアップショップは7月21日までオープンしており、毎日新商品を追加していく。
パリでは「ルイ・ヴィトン」本社にほど近いブーシェ通りにオープンし、雨の中人々は行列を作った。行列の10番目に並んだ貿易業者を名乗るババカー・シス(Babacar Cisse)は、特に人気のボックスロゴのフーディーとTシャツ、財布をゲットした。彼がゲットしたアイテムは行列の最初の60人で完売したと噂されている。シスは、「僕がゲットしたフーディーを、オンラインでは2000ユーロ(約25万6000円)が相場だけど、3500ユーロ(約44万8000円)で買うとその場で申し出てきた人もいたよ」と興奮気味に語った。
彼は前日の午前11時から並び始め、18時ごろにセキュリティーに名前を聞かれ、発売日の朝6時に戻ってくるように言われたそうだ。「5人ずつ中に通されて、一人一人に専属の販売員がつけられた。僕らはラックに触れることはできず、その販売員が手にとって説明してくれたんだ」とポップアップショップの中の様子を語った。
一方、朝3時から並んだというマー・ビャオ(Ma Biao)は意気消沈した様子で、「並んだ意味なかったよ。まず、『ルイ・ヴィトン』は僕が買えるブランドじゃない。僕は『シュプリーム』にしか興味がないんだ。でも僕が買えそうなTシャツとフーディーはもう売り切れていて、残っていたのはレザーのアイテムやトレンチコート、スカーフばかりだった」と語った。パリのポップアップショップは27日までオープンする予定だ。
ロサンゼルスではロデオドライブにオープンするという噂は大いに外れ、アーツ・ディストリクトにオープンした。ポップアップショップの場所が公開される前に場所を突き止めたというブリアン・テイラー(Brian Taylor)は、オープン前日の朝11時から並び始め、入場券を受け取った。また、その際に顔写真を撮られ、顧客データベースに追加されたという。
ニューヨークのボンドストリートにも「ルイ・ヴィトン」 × 「シュプリーム」のポップアップショップをオープンする計画はあったが、マンハッタンの地域行政地区が、これまで「シュプリーム」が行列をコントロールできていなかったことなどを挙げ、全会一致で拒否したために実現しなかった。
「ルイ・ヴィトン」 × 「シュプリーム」のコレクションはオンラインと「シュプリーム」の店舗では販売予定はなく、「ルイ・ヴィトン」の一部の店舗で販売する。販売店舗は追って発表予定だ。
また、「ルイ・ヴィトン」は売り上げやどのアイテムが最初に売れたかなどの質問に対して、回答を拒否している。