ファッション

ジャージーブームの火付け役はSuchmos?

 先日、ロンドンから始まりピッティ、ミラノ、パリと、約1カ月間の2018年春夏メンズのコレクションサーキットが終わりました。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」や「ランバン(LANVIN)」「ゴーシャ ラブチンスキー(GOSHA RUBCHINSKIY)」を始め、16年春夏頃から見られるスポーツミックスは未だ健在。特にカジュアルなアイテムのジャージーを用いたスタイルが目を引きました。

 このジャージースタイルは一歩間違えればダサくなりうる危険アイテムですが、すでに日本では頻繁に街で見かけるトレンドアイテムになっています。とはいえ、「『ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)』16年春夏でジャージールックが登場したから、ジャージーを取り入れたコーデを組んでみた!」という人は少ないように思えます。ではなぜダサいアイテムがトレンドアイテムにまでのしあがったのでしょうか?

 それは、「Stay Tune in 東京 Friday Night」の耳に残るフレーズで知られる「Stay Tune」がTVCMに使用され、知名度がぐんぐん上がっている6人組バンド、Suchmosの影響が考えられます。というのも彼ら、特にボーカルのYONCEが「アディダス(ADIDAS)」のジャージーを、普段から、ステージ上でも、MVでも、着用しているんですね。ちなみにスニーカーも。

 かの有名なジャミロクワイ(Jamiroquai)に影響を受けての「アディダス」着用を公言していますが、今やジャミロクワイを真似したYONCEを真似するファンが急増。アーティストがファッションアイコンとなり、ファンが同じような格好をするのはいつの時代でも見られるものですが、Suchmosの場合は、「アディダス」という“知名度”“値段”“分かりやすさ”の3拍子がそろった結果、ここまでの影響に至ったのではないかと思います。

 この「アディダス」トレンドをSuchmosが生み出したと一概には言えませんが、常日頃から着続けていたというベースに、今の90年代懐古の時代の流れと“スポーツミックス”といったファッションシーンの流れとがうまく混ざり合い、「アディダス」トレンドが自然発生し、その体現者として彼らに注目が集まるのかもしれません。

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