良品計画は7月5日、銀座3丁目の商業施設「マロニエ×並木読売銀座プロジェクト」において、「無印良品」の世界旗艦店と日本初の「MUJI ホテル(仮称)」をオープンすると発表した。
地下1階と地上1〜6階の一部までが「無印良品」の店舗となり、売り場面積は約3300平方メートル以上で、現在、世界最大店舗である「無印良品」有楽町店を上回る広さを予定している。「MUJI ホテル」は、良品計画がコンセプトの提供および内装デザインを監修し、「無印良品」の家具やアメニティグッズをそろえる。小田急電鉄グループのUDSが設計・運営する。UDS(旧社名・都市デザインシステム)は、2003年にリノベーションの先駆けとなったホテル「クラスカ」の開業や、アートをキーワードにしたホテル&シェアハウス「ホテルアンテルーム 京都」なども手掛ける。
上層階となる6〜10階に入居する「MUJI ホテル」は“アンチゴージャス、アンチチープ”がコンセプト。手頃な価格で、旅先において心と体を整える空間を提供し、宿泊客と土地を繋げるサービスを用意する。松﨑暁・良品計画社長は、「旅や移動は暮らしの一部になり、消費するだけの旅行から自らが作り出す自分だけの体験へと需要が変化している。『MUJI ホテル』はその需要に対応し、『無印良品』の店舗と連携することで、タオルの手触り、コンセントやスイッチの配置、レストランのメニューや空間などを提供し、『無印良品』の思想を体感してもらえるホテルを目指す」。世界旗艦店では「無印良品」の約7000アイテムの全ラインアップとサービスを全て体感できる店とする。「MUJI ホテル」と合わせて「1棟全てで『無印良品』の世界を堪能できるものにしたい」と続ける。部屋数、価格帯に関しては随時発表する予定だ。
なお、「MUJI ホテル」は中国・深センと北京でオープンすることが決定している。深センでは地元デベロッパーの深業集団が事業主体として運営する複合商業施設「深業上城」内に年内をメドに開業する。良品計画はコンセプトの提供および内装デザインを監修し、アドバイザリーボードに入る杉本貴志氏率いるスーパーポテトが手掛ける。北京については、銀座と同様、小田急電鉄グループのUDSと展開する。部屋数は79室を予定する。さらに、奈良の刑務所跡地での再開発でも、「MUJI ホテル」の展開を予定している。
松﨑社長は、「(05年に)中国に1号店を出店してから3年ほどで、ホテルを展開してほしいと要請を受けるようになった。長い時間をかけて実現することになった。考え方が一致するオペレーションができるパートナーと組むことが成功のために一番重要なことで、ホテルプロジェクトの骨格でもある」と語る。