ザ・ウールマーク・カンパニー(THE WOOLMARK COMPANY)は10日、若手デザイナーの登竜門「インターナショナル・ウールマークプライズ(IWP)」のアジア予選大会を韓国・ソウルで開催し、メンズウエア部門は香港の「シックス リー(SIX LEE)」が、ウィメンズウエア部門は韓国の「カイ(KYE)」がそれぞれ優勝した。両ブランドには、2018年1月に開催予定のファイナル大会の出場権に加え、同大会に向けたコレクション制作のために7万豪ドル(約600万円)が授与される。
昨年に続いて2回目のエントリーとなったメンズの「シックス リー」は、テーラードのスーツに加えて、スポーティーなブルゾンやインナーなど全てのアイテムにウールを使用し、ウールの可能性の広さをアピールした。「前回はコンセプチュアルになりすぎた。今年1年、香港にあるウールマークのリソースセンターに通ってウールについて勉強を重ねて、いかにリアルクローズに落とし込むかを工夫した。今のウールは機能性に優れており、冬だけではなく夏にも活用できるのが魅力だ」とデザイナーのシックス・リー。
女性デザイナーによる等身大のデザインが特徴のウィメンズの「カイ」は、韓流スターなど韓国内外の芸能人を顧客に持つブランド。Gジャン風トップスをウールでデザインするなど、得意のストリートスタイルにウールを取り入れた。デザイナーのキャサリン・カイ(Kathleen Kye)は、「若い世代にとってウールは高価で重厚感があるイメージ。彼らが普段着ている服にいかにしてウールを取り入れるかを考えた。また、色もビビッドなピンクとし、あえてウールのナチュラルなイメージから離れた。コンテストの服はコンセプチュアルになりがちだけど、本戦に進んでもあくまで自分が着たいと思うかにこだわりたい」とコメントしている。
同大会に参加したのは、中国から4ブランド「シュシュトン(SHUSHU/TONG)」「プロナウンス(PRONOUNCE)」「スタッフ オンリー(STAFF ONLY)」「シックス リー」、日本から2ブランド「ロギーケイ(ROGGYKEI)」「ユイマ ナカザト(YUIMANAKAZATO)」、韓国から2ブランド「カイ」「ビムウィエ(BMUETTE)」、インドネシアから1ブランド「ペギー ハータント(PEGGY HARTANTO)」の計9ブランド。審査員は、韓国人デザイナーのジュン・ジー(Juun J)、ヘジュ・リー(Hyejoo Lee)韓国版「Wマガジン」編集長、ウキュン・チュン(Hwa Kyung CHUNG)新世界百貨店副社長、向千鶴「WWDジャパン」編集長の4人が務めた。