森トラスト(MORI TRUST)は7月12日、マリオット・インターナショナル(MARIOTT INTERNATIONAL、以下マリオット)と提携しマリオットの最高級ブランドである「エディション(EDITION)」を開業すると発表した。東京オリンピックが開催される2020年に開業予定だ。日本を代表するショッピングエリアの銀座とビジネス拠点として開発が進む虎ノ門の2カ所にオープン。「エディション」はブティックホテルのパイオニアであり世界的なホテリエであるイアン・シュレーガー(Ian Schrager)=イアン・シュレーガー・カンパニー会長兼最高経営責任者(CEO)がマリオットとコラボで展開するラグジュアリー・ライフ・スタイルホテルで、日本初上陸になる。13年にロンドンで開業し、現在ではニューヨークを含む4都市で展開しており、今後さらに世界各地に13のホテルをオープン予定だ。
「東京エディション虎ノ門」(以下、エディション虎ノ門)は森トラストが手掛ける大型複合施設である東京ワールドゲートの上層31~36階にオープン予定で客室数は約200。「東京エディション銀座(以下、エディション銀座)」は、銀座2丁目に地上13階、約80室で開業予定だ。両ホテルのデザインは、隈研吾が手掛ける。
記者会見には、シュレーガーやアンソニー・カプアノ(Anthony Capuano)=マリオット・インターナショナル副社長兼最高国際開発責任者(以下、マリオット副社長)が来日。シュレーガー会長兼CEOは「東京にはずっとホテルを作りたかった。同時に2つできるとは幸運だ。旅行客だけでなく銀座や虎ノ門のコミュニティーにも訪れてもらえるような文化発信型のホテルにしたい」と述べた。伊達美和子・森トラスト社長は、「マリオットと契約を結んだ13年、ロンドンの『エディション』がオープンした。いつか東京に誘致したいと考えてきた」とコメント。森トラストは「東京エディション銀座」(以下、エディション銀座)に関しては運営委託契約(MC)を結んでいる。
森トラストは2030年を見据え、新コーポレートスローガンに“クリエイト・ザ・フューチャー”を掲げている。ホテル事業においては富裕層をターゲットにした開発を予定しており、「エディション」もその一環だ。グローバル都市の世界4位である東京における5つ星ホテルは18軒。都内や大阪でのホテル開発の95%以上がバジェットホテルという現状だ。オリンピックに向け開発が進み、観光立国を目指す日本の観光GDPを上げるには、「エディション」のようなラグジュアリー・ホテルの誘致が鍵になる。
森トラストとマリオット、隈とシュレーガーという各分野をリードする4社の融合がどのような形で完成するか注目が集まる。