「ナイキ(NIKE)」はこれまでフットウエアのみに使用していたフライニット(Flyknit)素材を採用した初のアパレル製品“フェノムブラ(Fe/Nom bra)”を発売した。
フライニット素材はサポート力、柔軟性、通気性に優れ、軽量。足の形状にフィットする素材だ。足にぴったりとフィットした履き心地のシューズを必要とするランナーからのフィードバックにより誕生した。同素材の特性はフェノンブラにも引き継がれている。
ニコール・レンダン(Nicole Rendone)=シニア・ブラ・イノベーション・デザイナーは「フライニットの可能性は未知数だ。どんな製品にも採用できる。ブラの種類も増やすし、レギンスや靴下を含む全てのアパレルに採用していく」と語った。
なぜ「ナイキ」がフライニットを初めて転用する対象としてブラを選んだのかという質問に対し、「ブラが本質的なアイテムだからだ。また、ブラにフライニット素材を採用することで大きな効果があると考えるし、われわれにとっても大きなチャレンジとなるからだ」と答えた。
エンジニアとデザイナーは、あらゆる体型・身長の女性を対象に、デジタルボディースキャンを駆使して身体のどの部分が高温になるか、汗をかくか、冷えていくか、動くかについて測定。600時間以上を費やし、分布図を作り上げた。
「ナイキ」のチームは使用する素材の量と縫い目を大幅に減らすことに成功。「ナイキ」で展開しているサポート性の高いブラは最大で41個のパーツと22カ所の縫い目によって構成されているが、本製品は2つのパネルと接合部があるのみで、従来製品に比べ30%も軽量化することに成功した。
“フェノムブラ”の価格は80ドル(約8900円)。本製品は「ナイキ」のランニングアプリ「ナイキプラス(NIKE+)」で48時間限定で先行発売された。その後、ウェブサイトでも発売されたが現在は完売となっている。10月には全世界で発売が予定され、段階的に店舗での購入も可能となる。