アマゾン(AMAZON)はiPhone用アプリ内に新サービス「スパーク(Spark)」を7月18日にリリースした。他のユーザーが投稿した気になる商品をクリックするだけで購入ページへ飛ぶことができる仕組みだ。アマゾンプライム会員のみの限定サービスで、「新しいアイテムを発掘して購入するための促進剤になる」と同社は説明する。
アプリの仕様としては新しいものではない。インスタグラムが同様のサービスを3月に開始し、ピンタレストは画像の検索精度を大幅に向上させた。他の小売業者も購入可能なソーシャルメディアを何年も前から提供している。しかし、他の会員が投稿した写真から購入ページへ遷移するサービスを提供するのは、アマゾンが小売業者としては初となる。
同社のサイトによると、「スパーク」上では、投稿者に質問すると、商品や体験に関するアドバイスやフィードバックが返ってくるなどのコミュニケーションが可能となる。また、ユーザーは「スパーク」を利用するために、まず初めに興味のあるカテゴリーを5つ選択する必要があり、選択した内容とアマゾンに蓄積されているユーザーの履歴を元に表示される内容が決まる。
同社はプライム会員とファッション分野に注力している。ファッション業界での経験が豊富なクリスティン・ボーシャン(Christine Beauchamp)が5月に同社のファッションビジネスを統括するアマゾン ファッション(AMAZON FASHION)のCEOに就任し、6月からは、購入前に最大5着を自宅で試着ができるサービス「プライム・ワードローブ(PRIME WARDROBE)」を開始した。
また、同社の30時間限定のセール、アマゾンプライムデー(Amazon Primeday)では、数千万人もの新規会員を獲得。同時に数千万人がアマゾンのアプリを通じて同期間中に商品を購入したことも明らかとなっている。このことからも、「スパーク」はサービス提供開始時に既に大規模な潜在的母体を持っていることになる。