ニューヨークの出版社タイム(TIME INC.)が3誌の売却先を模索している。対象となっているのは「コースタルリビング(COASTAL LIVING)」「サンセット(SUNSET)」「ゴルフ(GOLF)」の3誌。また、アフリカ系アメリカ人がターゲットの「エッセンス(ESSENCE)」を発行するエッセンス・コミュニケーション・パートナーズ(ESSENCE COMMUNICATIION PARTNERS)についても株式の過半数の売却を試みている。
タイムは今年初めに企業として身売りを試みた。投資会社のナジャフィ(NAJAFI)やパンプローナ・キャピタル・マネージメント(PAMPLONA CAPITAL MANAGEMENT)、メディアのメレディス・コープ(MEREDITH CORP.)などが興味を示し、投資家のエドガー・ブロンフマン・ジュニア(Edgar Bronfman Jr.)とイノン・クレイズ(Ynon Kreiz)が1株18~20ドル(約2000~2200円)、総額18億ドル(約2000億円)で買収を試みたがタイムはこれを拒絶し、4月に身売りを断念した。現在、株価は14ドル台(約1500円)にまで落ち込んでいる。
同社は6月に300人規模のリストラを行った。追加のリストラは行わず、その他の部分でコストカットを目指す方針を打ち出し、個別の雑誌を売却することを検討するとしている。具体的な買い手候補は挙がっていないが、メレディスやハースト(HEARST)の名前がウワサされている一方で、「エッセンス」は雑誌「エボニー(EBONY)」「ジェット(JET)」を所有するプライベートエクイティファンドのクリア・ビュー・グループ(CLEAR VIEW GROUP)が、「サンセット」は出版社のガーデン・アンド・ガン(GARDEN & GUN)が候補になるのではと情報筋は話す。
出版社は苦戦を強いられており、身売りを試みるのはタイムだけではない。ライバル社のロダール(RODALE)も6月に身売りを発表。入札期限を8月3日としている。メレディスやハースト、アメリカン・メディア(AMERICAN MEDIA INC.)が買収を検討しているという。