「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の“トラベルブック”は見るだけで旅気分を味わえるアート本です。世界各国のアーティストが手掛けるこのシリーズは2013年に誕生。各アーティストが異国の地を訪れ、異文化との出合いをイラストや絵画、漫画など、それぞれの表現方法で描く作品集です。味のあるイラストでおなじみのジャン-フィリップ・デローム(Jean-Philipe Delhomme)が描くニューヨークや、抒情的な作風が印象的なブレイズ・ドラモンド(Blaise Drumond)による北極圏など、アーティストとロケーションのマッチングも絶妙。日本人では、漫画「孤独のグルメ」の作者で世界的に評価の高い谷口ジローがヴェネツィアを、国内外でイラストレーターとして活躍するせきなつこがロンドンを手掛けています。価格は5100円と意外とお手頃。「ルイ・ヴィトン」の全店舗で販売しており、ちょっとしたギフトにも最適です。
今年5月には、東京、ハワイ、メキシコが加わり12都市13シリーズ(パリが2冊)になりました。東京はピクセル・アートのパイオニアであるeBoyが担当しています。eBoyはドイツのピクセルアートグループで、カイ・フェルメール(Kai Vermehr)とシュテフェン・ザウアーダイグ(Steffen Sauerteig)、スヴェント・シュミタル(Svend Smital)の3人が結成しました。サンフランシスコやリオデジャネイロ、ベルリン、パリなどの都市を描いた一連の作品「ピクソラマ(PIXORAMAS)」が有名です。
東京版のユニークなところは、他都市は象徴的な観光地がメーンでフィーチャーされているのに対し、タクシーの運転手や学生たち、スーパーマーケット、表参道の街並みなどの日常の風景がビビッドに描かれている点。電車の中で携帯を見る人や読書をする人などリアルな描写がされています。また、相撲や時代劇など、文化的な東京の魅力が詰まった一冊です。
「ルイ・ヴィトン」には出版部門があり、1998年に“シティ・ガイド”を出版以来、今まで約80タイトル以上が登場しています。書籍の他に、ポストカードや、ホテルラベルやオーシャンライナーラベルズのセットなど旅にまつわるアイテムも。「ルイ・ヴィトン」のトランクに張られただろうレトロなラベルは一枚一枚個性的で、古き良き時代の旅に誘われます。価格も約5000~1万円台とお手頃なので、自分へのプレゼントや旅好きの友人へのギフトとしてもぴったりです。