「ポーラ」が化粧品業界で初めて“シワを改善する”医薬部外品の認可を得た「リンクルショット メディカル セラム(以下、リンクルショット)」。1月1日の発売前から化粧品業界に一石を投じる商品として注目を集めていたが、実際に1~6月の累計販売個数は約62万個、約87億円を売り上げ、各社のベストコスメ賞を受賞するなど一世を風靡している。
ここまでのヒット商品となった背景には、美白やニキビに次いで、“シワ”の医薬部外品(薬用化粧品)の認可を得たことが一因する。これまで薬機法(医薬品医療機器等法)の壁に阻まれ打ち出せなかった“シワ改善”という訴求ポイントが具体的に伝えることができるようになったのは大きな要素だ。ちなみに化粧品で医薬部外品の認可が下りたのは2009年以来のこと。
「リンクルショット」は開発に7年、申請に8年という年月を費やし発売に至った。「ポーラ」としても、単品商品としてはかつてない数値目標である年間100億円の売り上げを目標に掲げるほど期待を寄せた。化粧品業界もその動向に目が離せない状況で、ふたを開けてみると、前評判通り、発売初月は25万本を売り上げて好調な滑り出しをきった。
主な購入者はメーンターゲット層である40~50代女性。購入者の約半数が新客であったこともポイントだ。これは、テレビや新聞、雑誌、ウェブ、交通広告など多角的に販促を実施したことが奏功しており、購入者の約60%が広告をきっかけに来店したという。
快進撃は続き、年間売り上げ目標を125億円と上方修正した。1~6月の売り上げは当初計画比の30%増以上、修正計画比でも9%増と勢いは留まることがない。2回以上の購入比率30%と商品力の高さを証明している。後半戦もシワ旋風は継続しそうだ。