アルド・グループ(ALDO GROUP、以下アルド)は8月2日、カムート・グループ(CAMUTO GROUP、以下カムート)のフットウエアおよびアクセサリー事業の買収が合意に達したと発表した。買収額は非公表だが、2億5000万ドル(約275億円)程度だとみられている。カムートはアパレル事業など、売却事業以外は存続させ、アレックス・デル・シエロ(Alex Del Cielo)=カムート最高経営責任者(CEO)は現職に留まる。
アプローチはアルドからだったからだという。情報筋は、カムートのフットウエア・ビジネスは、創設者のヴィンス・カムート(Vince Camuto)のデザインがあったからこそ成長したが、カムートが2015年に逝去したことで、現在のビジネスモデルでは成長の余地がなくなり、売却は必然的だったと話す。同社はオリジナルブランド「ヴィンス・カムート」などの他、「ジェシカ シンプソン(JESSICA SIMPSON)」や「レベッカ ミンコフ(REBECCA MINKOFF)」「アリス アンド オリビア(ALICE + OLIVIA)」などのライセンス、また、ディラード(DILLARD’S)やアン テイラー(ANN TAYLOR)のプライベートレーベルも手掛けている。
アルドは、「アルド」と「コール・イット・スプリング(CALL IT SPRING)」を世界に2600店展開しており、売上高はおよそ15億ドル(約1650億円)。今回の買収は拡大方針の一環であると説明する。また、今回の買収により、ラインアップとリーチの幅が広がると述べた。
また、デイビッド・ベンサドウン(David Bensadoun)=アルドCEOは「アルドはメンズに強く、小売りをベースに海外進出を進める一方で、カムートはウィメンズがほとんどで卸売りのエキスパートで米国市場における強力なプレーヤーだ。共にプライベート企業であり、相互に成長を助け、互いの強みを利用することができ、非常に喜ばしい」と述べた。なお、同社はカムートのデザイン方針を変える予定はないが、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのルイス・カムート(Louise Camuto)の去就については、まだ検討段階に入っていないと説明した。
同買収がアマゾン(Amazon)などの巨大企業と戦うための策だったのかと聞かれると、ベンサドウン=アルドCEOは「そういうことを念頭に置いていたわけではなく、あくまで企業を成長のさせる手段として同買収を行った。自然に大きくなるよりも速いスピードで成長したいと考えたし、資金的にも買収可能だった。国際競争を有利に進めるために成長したいという願望から、同買収に至った」と話した。
一方でデル・シエロ=カムートCEOは「最初の会合で、即座に2社のシナジーを感じた。両社は共通の倫理観、価値観などを持っている。1つのチームとして、共に成長していきたい」と語った。