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アシックス、米国苦戦長引く 17年上期の営業利益17%減

 アシックス(ASICS)の2017年1~6月期連結業績は、売上高が前年同期比3.3%減の2037億円、本業のもうけを示す営業利益が同17.1%減の160億円だった。売上高の約7割を占める海外市場で、米州(北米・南米)と欧州が苦戦した。米国は為替影響を除いた売上高が同10.6%減。日本も主にアパレルの不振で売上高は同2.9%減に終わった。為替差益の計上によって経常利益は同5.0%増の180億円に持ち直した。

 米州ではブラジルやカナダが伸ばしたものの、スポーツ専門店の再編が進む米国が足を引っ張った。主力であるランニングシューズ、「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」や「アシックスタイガー(ASICS TIGER)」ブランドのライフスタイルシューズが低調だった。欧州も為替影響を抜きにしても売上高は同7.7%減だった。一方で東アジア、東南アジア、オセアニアは好調を維持。特に中国ではランニングシューズと「オニツカタイガー」がけん引して売上高は10.8%増を記録した。

 日本は売上高が同2.9%減の638億円。ランニングシューズが約10%増だったものの、アパレルの低調が足を引っ張った。学校向けのスポーツウエアを戦略的に集約したことも背景にある。

 4日に大阪で会見した尾山基・社長は、米国でのスポーツ専門店の閉店ラッシュを踏まえて、直営店やEC、デジタルマーケティングの必要を改めて強調。「消費者の購買ポイントとの間にズレが生じ始めている。従来型の作って売る(卸売り)だけでは無理」と話した。傘下に収めた運動記録アプリ「ランキーパー(RUNKEEPER)」のビッグデータを活用したデジタルマーケティングを推進する。2日にはロンドンのリージェントストリートに、初めて傘下の全ブランドをそろえた大型旗艦店を開いたが、同様の大型旗艦店を10月に東京の原宿とニューヨークの5番街に開く。直営店とECをシームレスにつながる仕組みの開発を急ぐ。

 17年12月期は売上高4200億円(前期比5.2%増)、営業利益220億円(同13.6%減)、経常利益210億円(同10.3%増)、純利益130億円(同16.5%減)を予想する。

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