不思議な外見に思わず作品の前で長居してしまったのが、ザ・プロペラ・グループの「AK-47 vs. M16」と畠山直哉の「陸前高田市高田町」。前者は、ソ連とアメリカがベトナム戦争で使用した銃弾を特殊なジェルブロックの中で衝突させた作品。ベトナム戦争と、戦争に影響を受けたその後の世界、そして戦争が現在でもリアリティーを持って存在することを表している。後者は、約1.2m × 約11mの湾曲したパノラマ写真。東日本大震災以降頻繁に作者が取材を重ねる故郷・陸前高田を扱っている。作者は、その場所に堆積した時間へ眼差しを向ける。
自分だけの答えを見つけるのもアートの楽しみ
打って変わって、何だか分からないけれど引きつけられてしまう2作品を紹介。パオラ・ピヴィ(Paoka Pivi)の「I and I(芸術のために立ち上がらねば)」は、北米で古来から神聖な生き物とされる熊を色鮮やかな羽で覆った。もう一つは、マーク・フスティニアーニ(Mark Justiniani)の「トンネル」。どこかに繋がっているようでどこにも繋がらない無限のトンネルが美術館に現れる。制作意図や作品の持つ意味を自由に想像してみてはどうだろう。
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