「ヴェトモン(VETEMENTS)」が、ニューヨークの5番街にあるサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)のウィンドーに展示した“古着の山”が注目を集めている。同展示は百貨店の在庫や従業員の古着による作品で、アパレル業界の過剰生産に対する問題提起が狙い。終了後の古着は、慈善団体に寄付される予定だ。
「ヴェトモン」の公式インスタグラムでは、「ファッションは非常に汚い産業。アメリカの売れ残り在庫は年間500億ドル(約5兆円)に達するほどだ。アパレル経営者らは、サステイナビリティーや、二酸化炭素排出量の削減などについて声高に主張をしている。しかし、彼らはもっと簡単な解決方法が眼前にあることを知らない。過剰生産を防ぐことは、それだけでサステイナビリティーにつながるのだ。ファッション業界では、ラグジュアリーブランドの成長の背景に“明確な消費”があることを主張しがちだが、彼らは需要以上の生産を行っている」とアパレル業界への厳しい意見を投稿。
その上で、「サックスは過剰生産のアピールのためにメーンウィンドーを提供してくれた、勇敢な支援者だ」とサックス・フィフス・アベニューを労い、「われわれは時に、“足るを知る”必要がある」と締め括った。