三越伊勢丹ホールディングスは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する「Tポイント」の付与・利用サービスを2018年3月末をめどに終了すると発表した。今後は自社のエムアイカードとエムアイポイントに一本化する。Tポイントによる顧客データの有効活用を目的に三越伊勢丹HDとCCCが設立した合弁会社、三越伊勢丹Tマーケティングに関する提携契約も解消する。三越伊勢丹でのTポイントは、今年3月末に辞任した大西洋・前社長の強いリーダーシップのもと16年5月に導入されたが、わずか2年足らずで方針転換することになった。
導入以降、グループの店頭ではTポイントカードとエムアイカードを併用していた。導入の狙いとして、百貨店にあまり来店しない層を呼び込むとともに、Tポイントカードの会員約5500万人、エムアイカードの会員280万人の顧客分析を行い、消費者のニーズに応えた品ぞろえや新サービスに結びつけることを掲げていた。だが、両カードの併用では消費者にとってメリットが分かりづらく、連携もうまく進んでいなかった。導入から1年以上が過ぎても想定した成果が得られないと判断し、撤退を決めるに至った。
4月に就任した杉江俊彦・社長はカード事業を中長期戦略の柱の一つと位置付ける。エムアイカードに一本化することで、消費者にとっての利便性を高める。来年春からはエムアイカードでビザと連携したプラチナカード、百貨店以外のチャネルで発行するクレジットカードを加え、利用できる店舗をグループ外部に拡大していく。