今夏のトレンドの一つとしてオフショルダーや背中の開いたトップスが挙げられる。肌の露出が大きいので、下着の選び方も変わるはずだ。2大下着メーカーのワコール(WACOAL)とトリンプ・インターナショナルジャパン(TRIUMPH INTERNATIONAL JAPAN、以下トリンプ)に、今夏の売れ筋の下着について聞いてみた。ストラップレスの需要が増えたと思いきや、今夏の売れ筋下着のキーワードはコンフォートやシームレス。ボリューム感のあるスリーブのトップスやオーバーサイズのシャツなどゆったりとしたアイテムの流行が下着の傾向に影響している。薄着になる夏は、透け対策などからシームレスタイプへの注目も高い。
ワコールでは昨年登場した新・解放系ブラジャー「スハダ(SUHADA)」の売れ行きが好調だ。「スハダ」は3D同化フレームを使用することで、ワイヤーの存在を感じさせず、肌にとけこむ快適さを実現。夏は薄着の季節ということもあり、アウターにひびきにくいシームレスカップが受けている。また、化粧品のファンデーションを選ぶ感覚で肌のトーンに合わせて選べるのも特徴。今年5~7月の百貨店・専門店の同社ボリュームゾーン(5000~6000円の価格帯)のブラジャー売り上げの6~10%を占めた。「スハダ」は昨年2月~今年7月まで、累計63万枚を売り上げている。アウターにひびかず、自然な付け心地のブラジャーを求めている女性にはぴったりのアイテムだ。価格は5600~6100円。
同社はオフショルダーのトレンドを受け8月14日、“小さく見せるブラ”からストラップレスタイプを発売した。同シリーズは10年4月に発売以来、購入者の声を商品に反映することで人気商品の一つに。ストラップレスタイプはワイヤーで下からバストを支え、カップ上辺をひとつなぎにして上辺全周でバストを支える構造になっており、脇すっきりのコンパクトなシルエットを実現している。価格は4800~5100円。
トリンプでは「スロギー ゼロ フィール(SLOGGI ZERO FEEL、以下スロギー)」の売り上げがダントツ伸びている。2012年に発売以来、累計300万枚以上を売り上げるヒットアイテムになった。ソフトで伸縮性のある素材使いで縫い目がゼロ、ホックもワイヤーもタグもないストレスフリーの着心地が多くの女性の心をつかんでいる。“まるでノーブラ気分”を実現する「スロギー」はカラーバリエーションが豊富なベーシックタイプと襟ぐりが広めでスリムなストラップの深あきタイプ、胸元のVカットと厚手のパッドがナチュラルなバストラインを作るブラタイプの3シリーズ。家事やヨガなどの軽いエクササイズや、長時間移動の旅行や和装着用する時などマルチシーンで使用できる。8月末には、吸水速乾性に優れたコットンタイプ、スポーツ時に肩甲骨の動きを邪魔しないパターンのアクティブタイプ、プリントタイプには新たにモザイク画と花柄が登場する。価格も2800~3900円と手頃なのも魅力だ。
「スロギー」の大ヒットの理由に関してトリンプは、ファッションやメイクのトレンドと連動した女性のマインドの変化を反映した画期的な商品であったとコメント。ここ数年、女性のファッションは、ガウチョパンツにスニーカーといった、ゆったりとしたシルエットの無理をしないスタイルがトレンドだ。メイクも“すっぴん風メイク”などナチュラルなメイクが主流になっている。それらと同様、下着も締め付け感がなく、楽な付け心地の自然体でいられるものの需要が高まったというわけだ。「スロギー」はサイズレンジの拡大により、ジュニア世代のファーストブラからママ層、肌当たりや楽さを重視するシニア層まで幅広い層の支持を集めている。ベーシックタイプはカラーバリエーションが17色と豊富で、“選ぶ楽しさ”を提供しているのも人気の理由だ。