アメア スポーツ ジャパン(AMER SPORTS JAPAN)が手掛けるフィンランド発のスポーツウオッチブランド「スント(SUUNTO)」は、従来の5万〜10万円前後が中心の価格帯よりも手頃なモデルを近日中に発売し、顧客層の拡大を狙う。
現在、直営店は約10店舗、パートナーショップは約30店舗、スポーツ店を中心に世界中に卸を行う。2016年度の売上高は、5年前から倍増となる約182億円。ゲナディ・ジリンスキー「スント」ゼネラル・マネジャーは「健康志向の向上や、スポーツ人口増加などの影響もあり、売り上げは好調。急成長を続けている。『スント』の強みは、数々のトップアスリートとつながりを持っていること。とはいえ、彼らが求める機能やデザインを追求していくと、どうしても高価になってしまう。今後は、より多くの人にブランドを知ってもらうため、手頃なモデルを開発中だ」と話した。
「スント」は1936年に創業。フィンランド語で“方向”を意味するブランド名の通り、コンパスの製造からスタートした。その後、正確性と耐久性が求められるコンパス製造で培ったノウハウを生かし、登山やフィッシングに強い時計を開発し続けている。「最近は時計メーカーやファッション系ブランドが続々とスマートウオッチ市場に参入し、これまで別々だったモノが同じ性能を持ち始めている。今後、マーケットはさらに大きくなっていくだろう。他と違うのは、われわれは“命を守るため”のプロダクト開発からスタートしていること。バッテリーは毎日充電しなくてもいいし、マイナス30度の極地やエベレスト登山にも耐えられる。その高い機能を、オフィスでも使用できる美しいデザインに込めている。これから発表する予定の低価格モデルも含め、今後も信頼されるプロダクト作りにこだわっていきたい」。