シリコンバレー発のオンラインパーソナルスタイリストサービス、「スティッチ フィックス(STITCH FIX)」が、「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「レベッカミンコフ(REBECCA MINKOFF)」「アリス アンド オリビア(ALICE & OLIVIA)」「トッド スナイダー(TODD SNYDER)」「ペイジ(PAIGE)」など100以上のブランドをサービスに追加した。これまでは1着平均55ドル(約6000円)だったが、100ドル(約1万900円)からのニットや、600ドル(6万5400円)のレザージャケットなども用意。よりハイエンドな市場を開拓する。
「スティッチ フィックス」は2011年にカトリーナ・レイク(Katrina Lake)が創業し、16年にメンズ向けのサービスを、17年にはプラスサイズ向けサービスも開始。6年間で年商7億3000万ドル(約795億7000万円)に成長した。AIがユーザーの好みに合わせて選んだアイテムから、3500人のパーソナルスタイリストが人の手を加えて、届ける5着を選出する。スタイリング料として1回20ドル(約2180円)かかるが、気に入れば全アイテムを25%オフで購入でき、気に入らなければ無料で返送できる仕組みだ。ブランド追加にあたり、1000人のスタイリストに研修を行い、新たに加えられたより高額なブランドをどうコーディネートに取り入れ、活用するかなどの知識を深めたという。
リサ・ブジー(Lisa Bougie)=ウィメンズ部門ジェネラルマネジャーは、「ユーザーからの強い要望に応えた。中には追加してほしいと指名されたブランドもある。パーソナライゼーションビジネスで勝負している私たちにとって、ユーザーのニーズをきちんと満たすことは必須だ」と語る。
「スティッチ フィックス」はサービスの特性上セールを行わず、店舗も持たないため、サービスに加わるブランドとしてもシンプルな取引形態やセールを行わずにすむなどのメリットがあるようだ。ペイジ・アダムス・ゲラー(Paige Adams-Geller)=ペイジ創業者兼クリエイティブ・ディレクターは、「これまで多大な時間とエネルギーを費やしていた交渉作業がなくなり、本当にほっとしている。これまで私たちはファッションECには一切商品を売ってこなかった。ブランド価値を下げたくなかったから。でも、『スティッチ フィックス』は私と同じマインドを持っていると感じている。特に、彼らのユーザー分析、アルゴリズムに対する知識の深さは、非常に魅力的だった」と話す。