イケア・ジャパンが24日、2018年度(18年8月期)の事業説明を行い、800以上のアイテムの値下げを発表した。平均で20%以上の下げ幅となる見込み。梱包作業や配送の工夫、リサイクル素材の積極的な利用など、細かい施策を重ねることで値下げを実現する。
ヘレン・フォン・ライス(Helen Von Rice)=イケア・ジャパン社長は、「今年度は“やっぱり、家がいちばん”がテーマ。とにかく幅広いデザインで、機能的な商品を多くの人に提供したい。形と機能性、クオリティー、サステナビリティーの全てを満たす“デモクラティック・デザイン”が商品のポリシーだが、顧客の満足度を上げるためにも、まず価格の見直しを行った」と説明する。
同社が強調する“マルチチャンネル・リテーラー”という概念に基づき、ECとの連携も強化する。国内では4月に公式ECサイトを立ち上げたばかりだが、すでにEC化率は5%に達する勢いといい、数年以内に20%を目指す。毎年製作している2億3000万部ものカタログもデジタル化し、ARを用いたルームコーディネート機能も用意する。日本専用のページも立ち上げ、和室のコーディネートや1LDKに合わせた家具の配置などを提案する。「店舗を補完する存在として、商品閲覧や営業時間外の購入が可能になった。できるだけシンプルに商品にたどり着く仕組みを目指しているが、お店に来るワクワク感は店舗でしか味わえないもので、うまく両立をさせていきたい」とヘレン社長。
また、新たな商品展開として、10月にはペット商品の販売を開始する。日本とフランス、イタリア限定で犬猫専用のソファベッドなどを取りそろえる。また、デザイナーとのコラボレーションも積極的に行う計画で、10月にはデンマークの「ヘイ(HAY)」とコラボしたリビングコレクションを発売する他、来年2月には英インテリア・デザイナーのトム・ディクソン(Tom Dixon)が世界の3大学とコラボしたコレクションも発表予定だ。
10月には国内10店舗目となる新店舗を愛知県・長久手にオープンする。しかし、昨年度の事業説明会で、20年までに国内14店舗まで拡大するとした具体的な店舗戦略については明言を避けた。