ファッション

「Kiss is Kiss」愛の形を問う3種類の表紙を伊「ヴォーグ」が作成

 伊「ヴォーグ(VOGUE)」は9月号(8月31日発売)で、初めて全編でイタリアをフィーチャーし、男女、女性同士、男性同士がキスする3種類の表紙を作成した。男女の表紙を飾ったのは、モデル歴20年になるというマリアカルラ・ボスコーノ(Mariacarla Boscono)とイタリア人モデルのフェデリコ・スピナス(Federico Spinas)。女性2人の表紙を飾ったのはリリー・オルドリッジ(Lily Aldrige)とヴィットリア・チェレッティ(Vittoria Ceretti)、プライベートでもカップルという男性2人はパブロ・ロウソン(Pablo Rousson)とエドアルド・ヴェリックスコフ(Edoardo Velickskov)。マート&マーカス(Mert & Marcus)として活動するフォトグラファーデュオ、マート・アラス(Mert Alas)とマーカス・ピゴット(Marcus Piggott)が撮り下ろした。

 2016年12月に死去したフランカ・ソッツァーニ(Franca Sozzani)の後任として1月に編集長に就任したエマニュエレ・ファルネティ(Emanuele Farneti)は、自身のインスタグラムに「キスはキス(Kiss is kiss)」というキャプションとともに、表紙の写真を投稿。伊「ヴォーグ」のダイバーシティーやLGBTに対する姿勢を象徴した3種類の表紙には、ポジティブな意見や大きなリアクションが寄せられた。

 広告でファッション雑誌が一番厚くなり“セプテンバー・イシュー”と呼ばれる9月号だが、今年の伊「ヴォーグ」は全738ページ中、広告が333ページを占め、16年より12.5%も増加した。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)や、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)、ステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)のインタビューを掲載するなど、気合いの入った内容となっている。

 エマニュエレ編集長は、「一般的にイタリア人は、『イタリアの遠くで起きていることの方がイケてる』と信じているといわれているが、これは視点を間違えている。国際的なメディアは、イタリアについてのニュースや、ミラノやフィレンツェのエネルギーを報じている。われわれの美的センスは世界のいたるところに散らばっている。これがわれわれの持つソフトパワーだ。これを忘れず、誇らしく思おうじゃないか」とコメントした。

 9月号の売り上げは、前年同期比26.8%増を予想しているという。

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