百貨店大手5社の8月度売上高(既存店ベース)は、全社が前年同月の実績を上回った。三越伊勢丹は前年同月比6.5%増、高島屋は同3.8%増、大丸松坂屋百貨店は同4.2%増、そごう・西武は同2.0%増、阪急阪神百貨店は同5.4%増だった。引き続き訪日外国人客と富裕層の消費がけん引した。首都圏では30℃を下回る日が多かったため、秋物が早くから動いた。昨年8月が台風などの影響で低調だったため、その反動もあり伸び率は上昇した。
最も伸び率が高かった三越伊勢丹は、基幹3店と呼ばれる伊勢丹新宿本店が同9.3%増、三越日本橋本店が5.4%増、三越銀座店が同17.9%増だった。基幹3店はブラウスやジャケットなどの秋物の売れ行きがよく、婦人服、紳士服ともに同8%増を達成した。先物提案も強化しているが、やはり「低温に助けられた部分は大きい」(同社広報)と分析する。阪急阪神百貨店も基幹店である阪急本店が同10%増と、9カ月連続のプラスだった。阪急本店では後半にはコートなどの重衣料の先物買いも活発になったという。衣料品が実績に届かなかった高島屋や大丸松坂屋も下げ幅は改善している。
訪日外国人客による免税売上高は引き続き高い伸びを示している。特に関西が突出しており、高島屋大阪店は同88%増、高島屋京都店は同95%増、阪急本店は同80%増だった。
加えて、株高を追い風にした国内富裕層の消費もさらに勢いを増している。ラグジュアリー・ブランド、時計、宝飾品、美術品などの高額品は総じて2ケタ以上の伸びを達成した。